研究概要 |
枯草菌Rec-assayの自動測定評価装置(Rec-assayバイオフォトレコーダー)を開発した. 本装置は東洋アドバンテック社バイオフォトレコーダーを基礎にして, L字管36本を同時に振とう培養し恒温で任意の時間に菌の増殖を濁度の光透過を測定して記録するもので, 枯草菌増殖に適するように従来装置の振とう角を鋭角に改良し酸素供給速度を改善した. また胞子形成をしやすい枯草菌rec+菌の増殖曲線バラツキを最小にしたので, 試験結果のバラツキが少なくなった. 次に増殖曲線の自動測定終了とともに, Rec-assayを自動的に評価するプロビット理論, 標的論の解析プログラムを開発したので, 36本のL字管を使用して自動培養自動測定自動評価のシステムが完成した. また, L字管の容量も15mLと少量化の改善をしたことにより, 試料量が少なくて済むようになった. これらのことにより, 枯草菌Rec-assayが大幅に省力化され, また測定結果が統計的客観的評価を受けることができることになり, 試験者の判断違いや実験室毎の試験方法の僅かの違いで生じる試験結果の評価バラツキを少なくすることができるようになった. 枯草菌Rec-assayは, 環境変異原, DNA損傷性物質を測定評価する方法として優れた方法であるが, 従来の寒天培養法では結果が定性的評価しかできなかった. 本自動培養測定評価装置は定量的評価を可能にするものである. 今後Rec-assayを行う試験機関で本装置(Rec-assayバイオフォトレコーダー)を利用されれば, 必ず有効なものと認められると信じる.
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