研究分担者 |
尾関 昭夫 日本鋼管, 鉄鋼研究所, 室長
佐々 健介 名古屋大学, 工学部, 助手 (30101166)
牛尾 誠夫 大阪大学, 溶接研究所, 助教授 (80029248)
OZEKI Akio Steel Resarch Center Nippon Kokan K.K
川上 公成 日本鋼管株式会社, 中央研究所, 部長
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研究概要 |
鋳型を使用する鋳造に伴う表面欠陥の除去を目的として, 鋳型を用いない新しい電磁式水平連続鋳造法を提案した. この鋳造法は溶融金属に直接, 直流電流と直流磁束を作用させて, 溶融金属を重力に抗して浮揚させ, 鋳型を使用しないで鋳造するものである. したがって, アルミニウムの分野で採用され始めている従来の電磁鋳造法と比較すると, 固定費および運転費が大幅に減少する. 鋼の連続鋳造を想定して, 密度が大きく熱伝導率の小さい低融点合金(Bi-Sn-Zn合金)により連続鋳造実験を行い, 安定鋳造の条件を明らかにした. 一方, 電磁流体力学に基づいて, 溶解金属浮揚部の安定性解析を行い, 実験によって得られた操作条件が理論安定領域に入っていることを確認した. また, 本鋳造法により, 丸棒のみならず薄板の鋳造も可能であることを明らかにした. さらに, アルミニウムの連続鋳造を試み, 鋳造可能であることを示した. 以下, 本研究で得られた重要な研究実績を述べる. 1)鋳造可能な丸棒の最大径は, 2〓γ/pgで与えられる. γ:表面張力, p:密度, g:重力加速度である. 2)浮揚溶融部の長さlと半径aに関する安定操作限界は, l<〓2aである. 3)鋳造可能な薄板の形状と浮揚溶融部長さの関係を導出した. 4)アルミニウムの鋳造においては, 溶融部の酸化被膜が安定化に作用し, 溶融部長の拡大が可能と考えられる. 今後, 種々の金属に適用し, 本プロセスの特性を把握することが望まれる.
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