研究課題/領域番号 |
61850141
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
阿部 良弘 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90024223)
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研究分担者 |
渡辺 明 九州耐火煉瓦, 研究部, 研究部長
堤 定美 京都大学, 医用高分子研究センター, 助教授 (00028739)
細野 秀雄 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (30157028)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1986年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 生体用結晶化ガラス / インプランテーション / 人工骨 / 人工歯冠 / CaO-TiO_2-P_2O_5系 / CaO-Al_2O_3-P_2O_5系 / CaO-P_2O_5系 / 体積結晶化 / 一方向結晶化 / 多孔質結晶化ガラス / CaO-TiO_2-P_2O_5結晶化ガラス / 多孔質リン酸カルシウム結晶化ガラス / リン酸カルシウム / 結晶化ガラス / 核形成剤 / 配向結晶化 |
研究概要 |
本研究は、CaO+P_2O_5系の一方向配向結晶化ガラス(β-メタリン酸カルシウムの結晶繊維が平行に配列)、および体積結晶化ガラス(結晶がランダムに配列)を、人工骨、人工歯冠等の整形外科・歯科の分野に応用するための、基礎研究と動物へのインプランテーションとに関するものである。 本研究の特色は、通常の結晶化ガラスとは異なる組成、すなわち、生体骨の無機塩の主成分をなしているカリシウムとリンの酸化物から主として構成されている点にある。 (1)人工骨用:セラミックスは一般に曲げ強度は大きいとは言えないが、最大の欠点は脆性にある。生体骨は、曲がり易く靱性に豊む。そこで、骨と結合し易いCaO+P_2O_5系で、かつ、ヤング率低く、曲げ強度の大きい一方向結晶化ガラスを試作した。表層を化学的にアパタイト化させた試料について動物実験を行なった結果、骨との結合は比較的良好であった。しかし、化学的耐久性、強度低下等の問題があり、これらの改良が実用化のためには必須である。 (2)人工歯冠用:人工骨用とは異なる物性が要求される。すなわち、精密成形性、化学的耐久性、審美性等である。この研究では、第3成分としてAl_2O_3を添加した系、およびTiO_2を添加した系の結晶化ガラスの、物性、精密鋳造性、審美性等の検討を行った。両系とも人工歯冠用として実用化できる見込みを得た。また、CaO-TiO_2-P_2O_5にNa_2Oを少量添加した結晶化ガラスは、三リン酸カルシウム(TCP)が析出し、酸によってこれを溶出させると多孔性の結晶化ガラスができることを見出した。(フィルター、固定化酵素担体用などの新しい生体材料への適用が期待できる。 (3)生体親和性:医学部との共同研究により、CaO-P_2O_5系、CaO-Al_2O_3-P_2O_5系、CaO-TiO_2-P_2O_5系の、動物骨へのインプランテーションの結果、為害性は認められなかった。
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