研究分担者 |
柏 保介 泉陽硝子工業株式会社, 開発室, 研究員
白金 一浩 岡村製油株式会社, 技術部, 研究員
吉田 元昭 日本板硝子株式会社, 中央研究所, 主席研究員
伊藤 征司郎 近畿大学, 理工学部, 助教授 (40088448)
SHIRAGANE Kzauhiro Researcher, Technical Division, Okamura Oil Mill, Ltd.
KASHIWA Yasusuke Researcher, Development Division, Senyoh Glass Industry Co., Ltd.
YOSHIDA Motoaki Associate Chief Researcher, Central Research Laboratory, Nippon Sheet Glass Co.,
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研究概要 |
本研究における超微粉体調製の基本的特徴は, ヒドロゾル中の水和金属酸化物コロイド粒子を界面活性剤と結合させて親油性に変え, その粒子に有機溶媒を加えてオルガノゾルにしたのち, 溶媒との分離および減圧加熱によって, 金属酸化物超微粒子を得ることである. この手法によって調製したアルミナ超微粒子は, 粒子径が10nm以下(平均約5nm)であって可視光の波長よりも小さく, アモルファス状態であり, 界面活性剤で覆われていて親油性であり, 40-170°Cの温度域で自由水, 吸着水および構造水が離脱し, 200-250°Cで界面活性剤の分解が起こることを電子顕微鏡観察, X線回折測定, 赤外分光測定, 熱重量測定, 示差走査熱量測定, 熱分解ガスクロマトグラフィ等によって明らかにした. この種のアルミナ超微粒子は, 多くの有機溶媒や樹脂中に透明な状態で容易に分散し, 種々の特性をもつ透明複合系材料の開発への応用が可能である. 上と同様の手法によってチタニア界面活性剤系超微粒子を調製できるが, その粒子の耐候性(紫外線照射に対する安定性)に難点が認められたので, チタニアーアルミナ系超微粒子の調製による耐候性の向上を試みた. その試みの過程で, 陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム板を水和チタニアのヒドロゾル中で二次電解し, 酸化皮膜の細孔中に水和チタニアを析出させる白色皮膜形成法を開発した. このさい, チタニアゾルの代りに, アルミナゾルを含む電解浴を用いて, 電解酸化皮膜の細孔中に水和アルミナを析出させると, 優れた耐候性をもつ白色皮膜が形成されることを示した. この種の皮膜の白色度については, アルミナーカルシア系ヒドロゾルを含む電解浴を用いて交流定電圧電解処理を行う白色皮膜形成法が最も満足できるものであり, この方法による皮膜中には水和物としてのアルミニウム成分と少量のカルシウム成分が析出していることを示した.
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