研究課題/領域番号 |
61850154
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松田 義尚 九州大学, 工学部, 助教授 (10037757)
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研究分担者 |
盛満 耕造 出光興産, 中研, 研究主任
熊沢 尚 出光興産, 中研, 研究主任
久枝 良雄 九州大学, 工学部, 助教授 (70150498)
MORIMITSU Kozo Idemitsu Kosan
KUMASAWA Takashi Idemitsu Kosan
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | ニオブ / モリブデン / ポルフィリン錯体 / 光化学活性化 / エポキシ化反応 / 時間分解ESR / 軸配位子の反応 / 三重項ラジカル対 / モリブデンポルフィリン錯体 / 光酸素化反応 / 分子酸素の活性化 |
研究概要 |
1.触媒構造、光還元、再酸化に対する溶媒、共存種の効果、窒素塩基、アルコール類、フェノール類を共存させ、ニオブ、モリブデンボルフィリンの可視スペクトルを測定した。この結果、モリブデン錯体ではすべての配位性分子の配位が認められたのに対し、ニオブでは酸素配位子のみが配位することが明らかとなった。モリブデン錯体では、配位性添加物の有無に関わらず嫌気条件下での光照射によって5価から4価への還元が進行した。一方ニオブでは単座配位子が存在する場合のみ還元反応が進行した。還元種は、オキソ型5配位錯体として生成し、時間の経過と共に配位性添加物が配位した6配位、7配位体が生成する。中心金属の再酸化は共存配位子の配位が弱い場合には再酸化は5配位錯体から進行し、配位が強い場合には配位子の酸化を経て進行する。 2.錯体の光還元の機構。時間分解ESRによって、錯体の光還元反応を追跡した結果、反応は軸方向配位結合に関する電荷移動三重項、三重項ラジカル対を経て進行することが明らかとなった。またエボキシ化反応の活性種は三重項ラジカル対に対する分子酸素の反応によって生成することが示された。 3.酸素化反応の立体化学、シス-またはトランスオレフィンのエボキシ化によってシス-トランス異性化は起こらず、反応の中間体がイオン性であることが示唆された。 4.基質選択性。中間オレフィンが末端オレフィンより活性が高く、またアルキル置換基の多い方が高活性である。シス-またはトランスオレフィンでは、シス異性体が活性に富む。これらのことは中間体がイオン性であるという前項の結論とも一致する。 5.錯体構造の効果、ニオブ錯体がモリブデン錯体よりも高い活性を示した。これはニオブ原子がポルフィリン面から突き出した構造によると考えられる。一方、ピケットフェンス型置換基の導入はC_8以下程度の基質では活性、選択性の向上した。
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