研究概要 |
光源のヘリウムーネオンレーザー管をとりつけた光学台および受光部であるフォトダイオード取付光学台が別々にステッピングモーターにより一つの水平中心軸回りに回転できるように設計した表面プラズモン分光器の試作に成功した. 各光学台はペレックス製ロータリーユニットを採用し, オープンルーブ制御方式により, 直線加減速特性をもつステッピングモーターの駆動によって0.01°/パルスの角度変化が行える. 屈折率1.5146のBK-7円筒レンズと厚さ50nmの銀薄膜をBK-7平板に蒸着した光学系を用い, ポリスチレン薄膜(厚さ 約1nm)について測定した所反射率最小となる角度は裸のAg板に対して0.1°と得られ, これよりポリスチレン薄膜の厚さは1nm(10〓)と得られた. これより0.01°の角度分解能を持つ本試作装置は薄膜厚さの測定精度±1〓を実現げきることが分かった. 薄膜の厚さとその屈折率が共に未知である場合にこれら両者を同時に測定できる方式を開発した. すなわち薄膜の存在する場合の表面プラズモン分散しきコンピューターで解き, 厚さと屈折率の値を, 反射率Rと入射光角度θとの実測値にカーブフィットすることによって決定するプログラムを開発した. ポリエチレンオキシド水溶液から銀薄膜上にこのポリマーを吸着させ, R〜θの実測値にカーブフィッティングさせることによって合理的に吸着等過線および高分子吸着層厚さを測定できることを実証した. これにより吸着・有機薄膜測定用表面プラズモン分光器の試作は完成を見た.
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