研究課題/領域番号 |
61850157
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梶山 千里 九大, 工学部, 教授 (60037976)
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研究分担者 |
内田 茂登子 九州大学, 工学部, 教務職員 (20183204)
菊池 裕嗣 九州大学, 工学部, 助手 (50186201)
高原 淳 九州大学, 工学部, 助教授 (20163305)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1986年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 高分子 / 液晶 / 複合膜 / フルオロカーボン / 酸素富化 / 選択透過性 |
研究概要 |
フルオロカーボン(FC)を導入した、高分子/液晶三元複合膜の膜構造、および、気体透過性を検討し、つぎの結果を得た。 1)熱測定、走査型電子顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察、抽出実験などから、FCを含むPVC/EBBA三元複合膜は、PVCマトリックスの三次元網目状構造内に、液晶(EBBA)が連続相ドメインを形成している。高分子と液晶が相互に入り組んだ連続体を形成しているため、複合膜の膜構造は安定であり、機械的強度もある。FCは、共存の界面活性剤により、ミセルを形成し、膜中に分散している。 2)水面展開法で調製した高分子/液晶複合超薄膜内では、液晶分子は高度に配向し、PVCフィブリル内に安定に担持されている。 3)フルオロコーボンは、酸素の溶解性が窒素と比較して大きく、複合膜表面における酸素溶解性を高めるため、酸素の促進輸送効果を発揮することができる。この結果はFCを7.2部含む複合膜においてもっとも顕著であり、オリジナル膜の約2倍の酸素透過性と酸素選択性を示す。 4)高分子/液晶複合膜は、マトリックス高分子のガラス転移温度以上の温度域で、酸素透過係数の増加とともに、分離係数も増加する特異な膜である。 5)フルオロカーボンの高い酸素溶解性を利用し、膜表面における酸素取り込みをより効果的にするため、表面コーティングや薄膜の積層化による、FCに富んだ表面をもつ非対称膜の分子設計により、酸素透過性と選択性の優れた膜の調製が可能となった。 6)高分子/液晶複合膜は、水面展開法により、機械的に安定な極薄膜化が可能であることから、実用的な酸素富化膜としての展開が期待でかきる。
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