研究課題/領域番号 |
61850158
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 英史 東大, 工学部, 教授 (90010751)
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研究分担者 |
池上 正 旭化成工業株式会社, 開発技術本部, 主任研究員
後藤 八重子 東京大学, 工学部, 助手 (00092388)
小宮山 真 東京大学, 工学部, 助手 (50133096)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1986年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 金属銅コロイド / 金属銅超微粒子 / アクリロニトリル / アクリルアミド / 水和 |
研究概要 |
アクリルアミドは、接着剤,紙力増強剤,および土壌改良剤として有用であり、工業的にはアクリロニトリルの水和により製造されている。我々は、既に、適当な高分子の存在下で銅(【II】)塩を還元することにより高分子に保護された銅超微粒子の調製に成功し、これらの銅超微粒子がアクリロニトリルの水和の触媒として、高い活性と選択性を有することを明らかにした。本研究では、これらの知見をさらに発展させ、一層活性の高い銅超微粒子触媒を調製するための諸条件を確立することを目的とした。 ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコール,メチルセルロース,およびエチルセルロースを触媒とすることにより、大きな活性を有する触媒を開発することに成功した。これらの金属銅超微粒子の活性は、保護高分子の不在下に硫酸銅(【II】)を還元することにより調製した金属銅の沈澱の活性よりも70〜80倍も大きい。また、生成物は、すべてアクリルアミドであった。通常の触媒によりアクリロニトリルを水和した際には、エチレンシアノヒドリンの副生が観測されるのが常であるが、高分子保護金属銅超微粒子を触媒とした場合には、副反応は全く認められなかった。触媒反応後の高分子保護金属銅超微粒子を電子顕微鏡測定したところ、その平均粒径は、反応以前の値と同一であった。この結果は、高分子保護金属銅超微粒子が触媒反応中も会合することなく良好な分散状態を保っていることを示す。 ポリビニルピロリドンを保護高分子とする金属銅超微粒子の触媒活性は、ポリビニルピロリドンの量の増大とともに増加し、一方、活性-重合度のプロットには重合度1000付近に極大を生じる。以上より、アクリロニトリルの水和に対して活性の高い金属銅超微粒子を調製するためには、保護高分子の存在が不可欠であり、その量および分子量が活性に大きな効果を有することが明らかになった。
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