研究分担者 |
奥島 俊介 王子製紙, 中央研究所, 上級技師
蓮池 牧雄 京都大学, 農学部, 助手 (90026568)
村上 浩二 京都大学, 農学部, 教授 (30026504)
藤田 稔 京都大学, 農学部, 助教授 (60026599)
佐伯 浩 京都大学, 農学部, 教授 (40026498)
OKUSHIMA Shunsuke Oji Paper co., LTD. Senior engineer
吉見 哲 大建工業開発研究所, 主査
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研究概要 |
現在我国で製造, 販売されている多数の純シートおよびファイバーボードから, 特徴のある製品数種を選び出し, 供試シートとした. これらの供試シートについて, 1)シート断面の薄切法と薄切切片の光学顕微鏡観察, 2)シートの表面と断面を同時に観察するための走査型電子顕微鏡観察, 3)填料などの紙加工剤を含むシートにおいて, これら加工剤のシート内分布を検定するための, X線元素分析観察, の3点の技術的問題点を検討した. そしてこれら3種の観察法に共通する課題として, シートの精度の高い断面作製法がもっとも重要な項目であることが明らかとなった. とくに最近になって急速に発達し普及しつつある. 画像解析装置と解析方法とファイバーボードの形態解析に導入し活用するためには, このシート断面作製法の具体的手順を確立することが急務であると指摘され, とくにシート断面形態の光学顕微鏡による画像作製がきわめて有用性があることがあきらかとなった. 一方紙シート断面切片の作製には, 試料処理過程における吸水の問題や薄切面積, そして繊維断面の保存などの紙シートに特有の問題がある. そこで, 今年度は, 紙断面切片の"完全乾式試料処理法"紙の地合いなどのマクロな構造解析を可能とする. "長シート切片作製法", 異種紙シート間の形態比較を可能にし, さらに解析作業能率を飛躍的に向上させるのに役立つ, "シートの多層包埋法"などの新技法を確立した. そこでこれらの成果をもとにして, 本研究の目的である, シート断面の顕微鏡解析をシステム化するために, マニュアル集を編集した. このマニュアル集では, これまで顕微鏡観察に経験のない, 生産管理現場の従業者でもこのシステムにとりかかれるように, 具体的事項を詳しく記載することにした. とくに画像処理法の応用を考えて, 光学顕微鏡技法の要点を中心に編集した.
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