研究課題/領域番号 |
61870015
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西塚 泰美 神戸大学, 医学部, 教授 (10025546)
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研究分担者 |
荻田 浩司 神戸大学, 医学部, 助手 (60204103)
吉川 潮 神戸大学, 医学部, 講師 (40150354)
岸本 明 神戸大学, 医学部, 講師 (60127363)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1987年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1986年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | プロテインキナーゼC / 特異抗体 / クローニング / 生理活性物質 / 受容伝達機構 / プロテインキナーゼ / モノクロナール抗体 |
研究概要 |
プロテインキナーゼCを介する受容伝達機構は、広い領域にわたり細胞反応の基本構築、病態解析の手がかりとして注目を集めている。本研究ではプロテインキナーゼCに焦点をあて、3年間の試験研究を行い以下の成果をおさめた。プロテインキナーゼCは従来、単一の酵素と考えられていたが、本研究により、多くの分子種より構成される分子ファミリーであることが、明らかになった。当初、4種のcDNAクローンが分離され、α、βI、βII、γ種と命名された。これらの分子種はいずれも互いに構造の保全された4領域(C_1〜C_4)と構造の異なる5領域(V_1〜V_5)とから成る共通構造をもち、N端側の活性調節ドメイン(C_1〜C_2)と、C末端側の酵素活性ドメイン(C_3〜C_4)とにより構成される。この4種に加え少なくとも3種類の分子種、δ、ε、ζ種が存在することが明らかとなった。これらの分子種には、α、βI、βII、γに共通して存在するC_2領域が存在せず、また先の4種とは活性化機構が異なっており、別のグループを構成していると考えられる。一方、精製プロテインキナーゼCを抗原としてモノクローナル抗体を作成したが、このうちCKI-97はγ種と特異的に反応することが示され、また、各分子種の一次アミノ酸配列より推定されるポリプチドを抗原としてα、βI、βII種に対する抗体を得た。これらの抗体を用いて解析を行った結果、先の4種についてはそれぞれ特有の分布を示すことが明らかとなった。また、各種のプロテインキナーゼC活性調節物質の効果を検討した結果、生体内リン脂質の誘導体であるホスファチジルエタノールがγ種のみを活性化しうることが示された。以上の結果より、プロテインキナーゼCのクローニングを行い、分子種特異的抗体を作成することに成功し、分子種特異的活性化物質および抑制剤の検索方法を確立し、本研究の所期の目的を達成した。
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