研究概要 |
皮膚感作性試験の標準化を検討するために, まず代表的感作性試験法であるLandsteiner-Draize test(LDT), Buehler test(BT), Split adjurant technique(SAT)およびGuinea pig Maximizstion test(GPMT)について, Cahtafolなど6種の試験物質を用いて実験した. また, 別に同一方法を用いて2, 4-DNCBなど4種の試験物質について検討した. ついで, この中最も操作が簡便で反応が鋭敏であったGPMTを用いて, resorsinolなど7種の試験物質を2つの機関で独立して試験し, その再現性を検討した. その結果, GPMTが操作の容易さ, 反応の鋭敏性および再現性などの面で最も推奨すべき試験法であることが分った. さらに, 光感作性試験について, DDVPを試験物質としてAdjuvant-Stoip法およびその部分的改良法によって検討した. その結果, 試験物質は中等度の光感作性を有することが明らかにされたが, 試験方法の標準化は, なお今後の課題であることが分った. つぎに, 感作性試験の評価の標準化(定量化)をはかるために, 前記の4試験法を用いた2, 4DNCBなど4種の試験物質およびCaptafolなど6種の試験物質について実施した試験成績を基礎資料として検討した. その結果, Guinea pig maximization testを基本として, 感作誘導処置の皮内投与濃度100%〜0.001%に1〜6点, 局所塗布濃度100%〜0.1%に1〜4点, 誘発処置の局所塗布濃度100%〜0.001%に1〜12点, 感作成立率(Kligman法)I〜Vに2〜10点, 反応強度(Draize Score)0〜4点以上に1〜5点を与え, 総合計点を6〜37点として, この総点の6〜10点のものをWeak, 11〜16点をMild, 17〜22点をModerate, 23〜29点をStrong, 30〜37点をExtremeと区分して定量化することが, 有用かつ実用点であることが分った.
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