研究分担者 |
清水 芳雄 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90005421)
岡山 博 東北大学, 医学部, 助手 (10160730)
角田 康典 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80142933)
志村 早苗 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20154312)
中村 雅夫 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00125626)
|
研究概要 |
炭酸ガス呼吸曲線から求める解剖学的死腔(VDA)はガス交換のない中枢気道の内腔を, 同時に測定する呼吸抵抗(Rrs)は中枢およびそれより末梢の気道を含めた全気道内腔を表わすことに注目し, 安静換気時気道〓縮薬を倍々濃度で1分間如吸入せしめている間に生じるVDAとRrsの変化を連続記録する機器を開発した. 更に喉頭部抵抗は健常者で全気道抵抗の1/3を占め, 喉頭部狭窄のみで喘息発作を起こした例が報告されており喉頭部の過敏性の測定は不可欠である. 従来の如く針を刺したり気管支鏡を用いず, 非侵襲的に音を用い喉頭部抵抗の絶対値を測定する方法を開発した. 安静換気時非侵襲的に喉頭部抵抗, VDA, Rrsを同時に連続測定することにより気道過敏性の局在性を測定し, 局在性からくる病態と治療法を個々の患者において確立した. 健常者にアセチルコリンを吸入させると中枢側のみの気道収縮が生じ, 比較的太い気道の過敏性が確かめられた. これに反して気管支喘息では, 健常者の如く, 太い気道が過敏な例と, 末梢気道が過敏な例とに別れた. 更に末梢気道が過敏な例程, 気道過敏性が亢進している結果を得た. 気道過敏性の亢進している例では, 末梢気道拡張剤の投与が必要であると言える. アセチルコリン吸入時, 喉頭部抵抗の変化を測定すると, 健常者では, 気道抵抗の上昇と共に喉頭部抵抗の比例的上昇を示したが, 気管支喘息では何ら喉頭部抵抗の変化を示さなかった. この理由は健常者では大量のアセチルコリンを用いるが気管支喘息では少量で済むためと考えられた. このことは喉頭部は健常者と気管支喘息で同じ動きをすることを示している.
|