研究概要 |
1:臨床における冠動脈硬化性病変の血管内視鏡所見 (1).intimal relief像を特徴とする冠動脈血管内壁の不整化. (2).血管内膜下石灰化, 脂肪沈着 (3)血管内膜損傷を伴った壁在血栓, 内膜剥離像. 以上の所見が内視鏡的に認められ, これらは冠動脈造影より動脈硬化性病変と評価されないものも含まれていた. すなわち, 冠動脈外科手術中無血野が得られれば, 充分に血管内視鏡学的検索による冠動脈動脈硬化性病変が検索されるものと考えられた. 2:実験的動脈血栓作成とその内視鏡所見 (1).フィブリン糊を利用した実験的血栓は均一性と再現性をもち手技的に非常に簡便に動脈血栓栓塞標本を作成することが出来た. (2).バルーン又はデラシによる血管内膜損傷と内腔狭窄による血栓は, 病理組織学的にもより生理的モデルに近いものと考えられた. (3)血管内視鏡所見としては, 内膜損傷による血栓作製標本がより血管内膜の不整, 剥離及び血液凝固塊が認められ, 臨床で認められた所見に近似したものであった. 3:石英血管内視鏡の試作 (1).中央にレーザガイドを有する一体型石英イメージファイバにてrigid typeの石英血管内視鏡を作成した. (2).可視光の減衰等の変化は, 従来のガラスファイバー使用内視鏡に比し少なかった. (3).臨床使用に帯する問題点として, 内視鏡先端部及び可橈性, 操作性があった. 4:実験的作成血栓栓塞標本に対するレーザ治療効果 (1).先端部にてレーザ集光をすることにより20joulesにより, 約50oμ径の血栓蒸化像が得られた.
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