研究分担者 |
大塚 潔 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30160542)
末瀬 一彦 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20140212)
都賀谷 紀宏 京都大学, 医用高分子研究センター, 助手 (50127106)
谷 嘉明 京都大学, 医用高分子研究センター, 助教授 (90026881)
井田 一夫 京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (90028720)
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研究概要 |
1. チタン鋳造体の鋳造欠陥防止について 鋳造体内部に発生する鋳巣の原因は, 鋳造時の鋳造圧の種類および鋳型材の通気性と密接な関連性があり, 通気性の低い鋳型材を用いることや吸引力を併用しない加圧鋳造法が有用であることが判明した. しかし, これらの対策法は, いずれも鋳造体外部に生じる場廻り不良の原因となる可能性が高い. そこで鋳造性を高める方法として, 吸引力を併用しない場合には, 加圧力を吸引力併用の場合より約1.5kg/cm^〓程度高める必要があり, 湯口にチタン箔の圧力隔壁(ダイヤフラム)を設けることにより圧力の立ち上がりが高められ, 従来法の約2倍の鋳込率が得られた. 2. チタン鋳造体の適合精度の向上について ジルコニウム粉を用いた酸化膨張性マグネシア鋳型材を用いることにより良好な適合精度を有するチタン鋳造体を得ることが可能となった. さらに, コーティング層の膨張挙動に外埋没材の膨張挙動を近似させるために, 外埋没用のリン酸塩系鋳型材にクリストバライトを混入させることにより高度の熱膨張性を付与することが可能になり, 適合性の向上が図れた. また, チタン床用鋳型材についても, エチルシリケートを結合材としたマグネシア鋳型材を試作し, 現在その実用性について検討している. 3. チタン鋳造冠の臨床応用について 純チタンにより製作した全部鋳造冠および前装鋳造冠について, 口腔内での適合性をはじめ臨床経過について観察したところ, いずれも良好な成績を示した. さらに歯冠補綴への応用範囲を広げるために硬質レジン前装鋳造冠における維持様式や支台築造ポストへの応用効果について検討したところ, その有用性が認められた.
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