研究分担者 |
森 弘 帝国臓器(株), 常務取締役
重信 弘毅 東京大学, 薬学部, 助教授 (50012654)
和久 敬蔵 帝京大学, 薬学部, 教授 (90013854)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
野島 庄七 帝京大学, 薬学部, 教授 (70090470)
MORI Hiroshi Teikoku Hormone MFG. Co. Ltd., Managing Director
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研究概要 |
本研究の特色は, 生化学者, 薬理学者, 有機化学者が, 対話を常に行いながら, 1979年以降世界的に注目されるようになった生理活性リン脂質・血小板活性化因子(PAF)の基礎的知見の解明及び医薬としての応用的展開を行ってきたことにある. 61年度及び62年度において下記の成果が得られた. (1)PAFのプリセリン骨格でC-1位に種々の置換基を導入し, 生理活性(血圧降下作用と血小板活性化)が, どのように変化するのかを検討し, 1(S)-メチルPAFのみが血圧を下げ血小板を弱く活性化する選択的アゴニスト活性があることを確認し, ついでこの知見から, さらに分子設計を行い, cis-2, 5-テトラヒドロフラン誘導体を合成した. このものは強いPAF活性を有している世界で最初のコンホメーション制限モデルとなった. 興味ある化合物は, 今後の展開に有効に役立つと考えられる. (2)PAF及び1(S)-メチルPAFに対する生体内PAF分解酵素による挙動を検討し, 組織由来酵素は後者を, わずか早く脱アセチル化するのに対して, プラズマ由来酵素では, 前者がより早く脱アセチル化する重要な知見を見い出した. (3)PAF及び1(S)-メチルPAFの腸管吸収特性を検討し, 一般に後者が分解される程度が低いことが示された. (4)生化学的研究の基礎的知見解明を行い, PAFがbone-marrow-all分化増強に関与する可能性をはじめて示した. (5)PAFの特異的抗体をつくることに成功した.
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