研究課題/領域番号 |
61870095
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
名取 俊二 東京大学, 薬学部, 教授 (50012662)
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研究分担者 |
菅野 能範 明治製菓, 中央研究所, 所長
駒野 宏人 東京大学, 薬学部, 助手 (40170378)
YOSHINORI Sugano Central Research Institute of Meiji Seika Director
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | センチニクバエレクチン / 腫瘍壊死因子(TNF) / マクロファージ / リセプター / 腫瘍診断 / 殺腫瘍因子(TKF) / TNF / pLE10 / NHH-Sape-4 / 細胞傷害活性 / 坦癌マウス |
研究概要 |
この研究は、センチニクバエの産生するガラクトース結合性のレクチンを腫瘍有無の診断に使えるかどうか、その可能性について検討したものである。この研究計画立案に当っては、次のような実験事実があった。(1)マウスのマクロファージに、センチニクバエレクチンと作用させると、マクロファージは活性化され、培地中に腫瘍細胞に特異的な細胞傷害性蛋白を分泌する。この蛋白を、殺腫瘍因子(TKF)と命名した。(2)正常なマウス由来のマクロファージと、担癌マウス由来のマクロファージでは、センチニクバエレクチンに対する感受性が異なり、同じ条件では、担癌マウス由来のマクロファージの方が、強いTKF活性を放出した。この二つの事実を総合すると、動物からマクロファージを採取し、センチニクバエレクチンを作用させ、放出されるTKFの活性の強さから、その動物が担癌動物か、正常な動物か簡便に知る方法を確立できる可能性がある。研究を開始して、先ずTKFの精製とその性質を調べた。その結果、TKFは腫瘍壊死因子(TNF)と同一蛋白であることが判明した。マクロファージからTNFを放出させる実験をくり返した結果、センチニクバエレクチンに感受性のマクロファージと、非常に感受性の低いマクロファージがあり、個体によってその感受性が異なることがわかった。そこで、その感受性を支配するのは、マクロファージ表面にある、センチニクバエレクチンに対するリセプターの数ではないかと考えられるに到った。センチニクバエレクチンをリガンドとするアフィニティーカラムを作製し、マクロファージの膜分画から蛋白を可溶化し、センチニクバエレクチンリセプターの単離を試みた。その結果、170Kと110Kの二つの蛋白を得た。この蛋白を解析した結果、これがセンチニクバエレクチンリセプターで、各2分子ずつが集合して、分子量460Kの活性あるリセプターを形成することが明らかとなった。
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