研究分担者 |
越田 一郎 東京工科大学, 講師 (00192055)
福田 正人 東京大学, 医学部, 医員
平松 謙一 東京大学, 医学部, 助手
丹羽 真一 東京大学, 医学部, 助手 (30110703)
末広 直樹 東京工科大学, 工学部, 助教授 (00114512)
斎藤 治 東京大学, 医学部, 医員
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研究概要 |
1.正常者およびコミュニケーション障害を呈する分裂病者の発話時脳波と文音声を同時記録し, これら音声材料の両耳聴呈示による特定音節検知実験時の認知結果, 反応時間, その他の生理心理指標と誘発脳波を記録した. 2.上記により得られた文音声中の子音バースト時点, 母音開始・終了時点およびフォルマント変化時点の同定とそれにより得られた時系列と左右半球・正中中心脳波との相互相関プログラムにより言語関連電位を抽出した. 3.文音声の理解に必要なターゲット語の入れ換えにより文法レベルで不適合な単語入れ換え文を用いて文理解の各段階の文脈効果を操作した文音声および対照用の視覚呈示刺激材料を作成し, ディスクファイル化を行った. 4.既存の脳波データ収集・処理装置に言語データ編集・呈示用ディスプレイ装置を接続し, 上記解析プログラムと検査課題刺激材料を移植してディスプレイ上で文音声の編集を視覚言語材料呈示を可能とした. 5.上記により得られた脳活動情報解析・判別支援システムにグラフィックディスプレイ用拡張フレームメモリを付加し, 言語認知とともに非言語性認知過程に伴う脳活動情報の解析および比較機能を追加した. 6.以上により完成したシステムを用いて正常者および言語生成・理解に障害を示す精神病患者, 特に分裂病を対象にした臨床実験を行い, システムの臨床応用上の問題点を音声・視覚の言語・非言語課題を中心に列挙した. 7.本システムによって得られた結果と過去のデータファイルとの脳活動情報の照合による異常性判別の臨床試験を実行して言語障害検査のための支援システムを完成させ, 脳神経理論に基づくシステム評価を行った. 以上により, 言語生成・理解障害検査のための脳活動情報解析・判別支援システムに関する所期の基礎研究を終えた. 課題の高度化による実験研究・理論研究が今後は必要と考えられる.
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