研究概要 |
甲状腺ホルモン結合タンパクの影響を受けず, 真の活性遊離型甲状腺ホルモンを特異的に測定出来る方法を開発した. (1)遊離型サイロキシン(FT_4)の酸素免疫測定法(EIA) 血清20μl,T_4-β-Dガラクトシダーゼ(βGAL)200μl, 抗T4200μlを混じ室温4時間インキュベート後第2抗体でB/F分離し, 沈澱の酸素活性をONPGを基質とし比色法で測定した. 濾紙血液を材料とする場合には, 〓光基質を用い蛍光法で測定した. 血清FT4 2.8-107ng/l濾紙FT4 1.9-93ng/lが測定でき甲状腺機能〓〓症で高値, 低下症で低値, 妊婦などTBG増加〓やTBG減少さらにアルブミンの変動でも影響なく正常範囲であった. (2)遊離型カイロキシンのラシオイ2,アッセイ1RIA) 血清20μl,^<125>I-T_4hcG50μl, 抗T_4, 第2抗体固定化ビーズを37°C2時間インキュベート後放射活性を測定した. 血清FT4 2-128ng/lの測定が可能で, アルブミン, TBGの影響なく, 臨床検体の測定値は(1)のEIA法とほぼ同様であった. (3)遊離型トリヨードサイロニン(FT_3)の酸素免疫測定法 血清10μl, 固定化抗T3懸〓液50μl希釈液50-0μlを室温16時間イキュベート後, 洗浄, 遠心し, 沈澱の酸素活性をONPG法で測定した. FT_3_<0.7>-26ng/lの範囲で測定可能で, アルブミンによる影響は認められなかった. 正常値1.9-8.9ng/lに対して, 甲状腺機能〓〓症で高値. 低下症で低値. TBG増加, 減少症で正常範囲であった. 妊婦についても正常範囲であった. 結論:甲状腺ホルモン結合タンパクなどの影響を受けない特異的な活性型遊離T4, T3測定法を開発した. これは甲状腺機能のモニタリングに有用と考えられる.
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