研究分担者 |
内藤 利明 神津精機(株), 開発部, 課長
伊藤 隆 東京大学, 教養学部, 教授 (00012245)
前沢 博 東海大学, 医学部, 講師 (00138653)
檜枝 光太郎 立教大学, 理学部, 教授 (20062656)
ITO Takashi Univerfsity of Tokyo
NAITO Toshiaki Kohzu Seiki Co. Ltd.
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研究概要 |
本研究は軟X線領域に於ける生物作用スペクトルを調べるために必要な照射用軟X線斜入射分光器を開発し, 生物照射実験に供することである. 1.分光器の設計製作. (1)光学素子の選定:光学素子の中で最も重要な回折格子は1200/mm, ブレーズ角度1ないし2度とした. 素子のコーティングは金または白金とした. (2)分光器の設計:波長駆動系としてタンジェントバー駆動方式を採用した. 回折格子の回転角度精度は1秒, 回転範囲を14度と決定した. (3)真空容器の設計:これまで検討した光学系及び波長駆動系を収納する容器を, 焼きだし可能で, かつなるべく小さくなるように設計製作した. 2.動作テスト (1)真空テスト. 全体で三つの部分に分かれた光学系収納容器の真空度は10^<-8>Torr以下に下がることを確認した. シンクロトロン放射を導入したときに見られる脱ガスに対処するために, 当初予定していたイオンポンプのほかにチタンサブリメーションポンプを増設した. 前後の真空システムと接続するためのゲートバルブ等を組み込んで真空の立ち上げを完了した. (2)光学系の調整. 二枚の前置鏡, 回折格子, 集光鏡を組み込んだ後, レーザー光線により光学系の調製を行い, 設計通りに製作されていることを確認した. 回折格子の回転駆動装置も, 動作範囲, 精度ともに満足すべきものであった. また, 波長駆動システムにはパーソナルコンピューターを導入した. この結果, 前置鏡切り替等が容易に行えるようになった. 62年度2月現在, ビームラインの都合などにより, シンクロトロン放射を分光器内に導入するまでに至っていないが, なるべく早い時期にビームラインに据え付けて, 波長校正の後, 生物照射テストを実施したい.
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