研究課題/領域番号 |
61890009
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
平野 正 慈恵医大, 医学部, 教授 (70142487)
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研究分担者 |
山口 正視 東京滋恵会医科大学, 医学部, 助手 (90147364)
広川 秀夫 上智大学, 理工学部, 教授 (30011737)
飯野 徹雄 東京大学, 理学部, 教授 (80011667)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1986年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 非晶凍結水 / 凍結水和標本 / 無固定・無染色・無支持膜 / 固体・液体窒素冷媒 / 極低温高分解能観察 / スラッシュ(Slush) / クライオトランスフアーホルダー |
研究概要 |
本研究の目的は、非晶凍結水中の生物試料(凍結水和標本)を無固定、無染色、無支持膜で極低温高分解能電顕観察する方法の確立とそのための装置の開発である。当初の研究計画をほゞ達成することができたので、概要を報告する。1.非晶凍結水の作製条件の検討。(1)安全性と経済性から、冷媒として、液体窒素のスラッシュ(Slush)(-210℃)を用いた。(2)スラッシュの調製法:液体窒素容器(400ml)およびベルジャーの容量(2.5l)を用いた。容器は発泡スチロール製を用い、内部を水容性暗褐色のペイントで塗り、固体窒素と液体窒素の識別を容易にした。また三方コックを用い、真空下でスラッシュをつくり、常圧にもどすには窒素ガスを直接ベルジャー内に注入できる装置を考案した。(3)常圧にもどしたスラッシュの中に、水を張ったグリッドを入れて急速に凍結水和標本をつくった。この非晶凍結水でできたグリッドを、あらかじめ冷却したクライオトランスファーホルダーに移した。このとき温度変化のないように液体窒素内で移し換えのできる支持台を考案した。(4)ホルダー部分にできている霜を拭いて取って、電顕試料室に挿入した。試料温度、真空度を確認の上、直接10,000倍以上で、細菌べん毛、ファージ、ウイルスタンパク等を観察した。 2.高分解能電子顕微鏡観察の条件。(1)JEM1200EX(日本電子製)を用いた。試料ホルダーは常に超低温(約-170℃)。試料室は、超高真空(30×【10^(-5)】Pa)、極低温に保った。凍結水和標本の観察には充分に整備された高分解能電子顕微鏡を使用することが重要である。このことは使用機種の選定に当っても重大な要素である。凍結水和標本の作製方法については満足すべき結果を得ている。従ってこの方法のルーチン化のための解説書(報告書)の発行を準備すると同時に、更に研究を続ける予定である。より多くの共同研究者の参加を期待している。
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