研究分担者 |
伊藤 彬 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70012771)
坂本 澄彦 東北大学, 医学部附属病院, 教授 (20014029)
上蓑 義朋 東京大学, 原子核研究所, 助手 (60160339)
野田 章 東京大学, 原子核研究所, 助手 (20114605)
平尾 泰男 放医研, 重粒子線研究部, 部長 (10013351)
|
研究概要 |
原子核研究所において建設中の重イオン蓄積リングTARNIIから高エネルギー重イオンビームを引出し, 医生物照射ビームコースを建設してがん治療・診断の基礎研究を行う目的で, 61年度に製作した静電高圧型偏向電磁石に続いて, 今年度はその下流に設置する集束用四重極電磁石を設計製作した. これらの装置をビームコースに設置し, 取出しビームの偏向を可能にするための超高真空用真空槽を製作設置することによってビーム輸送系が作成された. 実際にビーム取出しを行う時のビームの振舞いをコンピュータによりシミュレーションを行ってビームがリング中の他の個所に衝突することなくビームコースに導かれることを確認した. これにより, 医生物照射に要求される一様な均一照射野や任意の大きさのスポット状の照射野を得ることができる. 63年度には引出しビームの真空系の製作や収差補正法の確立を行って, TARNIIリングと合わせて総合運転を行って, ビームコース全体を完成させる予定である. ビーム制御系に関しては, 微弱な取出しビームの軸出しと照射中のビームの均一性をモニターするためのプロファイルモニターをマルチワイヤチェンバー方式により製作した. 電極からの電荷は最終的にコンピューターにより処理され3次元表示されるが, その性能のテストは疑似データーにより確認された. 63年度にはさらにスキャッタラ,コリメーター,光学的位置決め装置,ビームモニターなどを製作し, プロファイルモニターとともにビームコースに設置し, 実際のビームを用いたテストを行って制御系として完成させる予定である.
|