研究課題/領域番号 |
62010011
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
谷口 克 千葉大学, 医学部環境疫学研究施設・免疫研究部, 教授 (80110310)
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研究分担者 |
帯刀 益夫 東北大, 抗酸菌研, 教授 (10099971)
葛巻 暹 北海道大学, 医学部, 教授 (80091445)
藤原 大美 大阪大学, 医学部, 助教授 (70116094)
竹森 利忠 千葉大学, 医学部, 助教授 (60114295)
藤本 重義 高知医科大学, 教授 (00009151)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1987
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研究課題ステータス |
完了 (1987年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
1987年度: 18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
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キーワード | 腫瘍抗原 / 分化・脱分極化 / がん遺伝子 / キラーT細胞 / 腫瘍エスケープ機構 |
研究概要 |
腫瘍抗原の発現と免疫系の認識を明らかにするために次の3つの分野において研究をすすめ結果を得た. 1.免疫系によって識別される腫瘍抗原の解析:RSV腫瘍系で腫瘍拒絶に関与する分子量60Kの抗原の部分精製に成功した. またVーsrc遺伝子産物そのものにある程度の腫瘍拒絶能力があることも判明したが, 完全な拒絶能力は無く別の分子の関与が考えられた. 一方, メラノーマ系で選択的に抑制T細胞を誘導し腫瘍のエスケープに関与する抗原エピトープがGMであることが同定された. しかも, 一次構造は正常と同一であったがその立体構造ががん抗原性を発現することを証明し新らしい概念を導入した. 糖鎖がん抗原と知られるLex糖鎖に対する抗体は特別のVH遺伝子を使用しており, バクテリア糖鎖のそれと全く同一のファミリーでありこれも正常のイデオタイプネットワークの枠内で腫瘍反応系が機能していることが示された. 2.細胞の分化・脱分化過程における分化抗原の発現とがん遺伝子発現との相関:温度感受性の2つのウイルスであるフレンドとAbelsonウイルスを用いて連続的に分化・脱分化を調べる系を確立し分化抗原の発現の決定は細胞分化の終期に誘導されること. cーmyc遺伝子の発現は正常分化抗原の発現を抑制的に調節していることを明らかにした. 3.免疫系細胞の分化増殖に関与する因子と抗原認識のプロセスに必要な要因の解析.新らしいキラーT細胞誘導因子(分子量28Kと14K)を同定.部分精製することに成功した. 今後キラーT細胞の増殖分化に重要な発見であった. T細胞増殖に関与する55Kと75K分子からなる1Lー2Rのシグナル伝達に関与するドメインを遺伝子工学的手法(キメラ遺伝子)を用いて解析し, 55Kにはその機能は無く75K分子に存在することが分った.
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