研究分担者 |
小宮山 寛機 北里研, 室長 (00106676)
三上 襄 千葉大学, 薬学部, 助教授 (40092100)
浦本 昌和 理研, 抗生物質, 副主任 (00124363)
鶴尾 隆 癌研, 化学療法センター, 部長 (00012667)
瀬戸 治男 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (10013335)
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研究概要 |
がんの化学療法は, がんの治療に重要な役割りわ荷っているが, 薬剤耐性細胞の出現, 心毒性および骨髓抑制の軽減など解決を迫られている問題も少なくない. また, 肝臓,膵臓,大腸がんなどは, 化学療法剤に反応し難く治療が困難である. このような背景から新しい抗癌抗生物質の開発を目的として, 本研究班を組織したが, 耐性細胞に有効な新アンスラサイクリン誘導体などを発見したので報告する. 1)新アンスラサイクン抗生物質のモルフォリン誘導体MX_2,MX_4とMX_5の抗癌効果を検討し, とくにMX_2について各種人癌細胞に対する作用を調べた. その結果, B_<16>,Colon 38,M5076細胞,ヒト胃癌,乳癌,肺癌に対し有効であった. 2)ネオカルチノスタチンの発色団の構造を決定した. (大岳,瀬戸,鶴尾) 3)MX_2の耐性細胞に対する効力は, MX_2がPー糖蛋白質によって排出されないためであること明らかにした. (鶴尾) 4)アスカマイシ関連誘導体5′ープロリルスルファモイルー2′ーデオキシー5ーフルオロウリジンを合成し, その抗癌作用を検討しるとともに, アスカマイシンの作用機序を明らかにし細胞表層酵素系に対する作用を追及した. (浦本,長田) 5)ピバロイルサフラマイシンY_3とnーカピロイルサフラマイシンY_3を合成し,各種癌細胞に対する制癌効果を調べるともに肺転移抑制効果を追及した. (三上) 6)バクトボリンのLーアラニン残基に各種アミノ酸を附加してペプチド鎖を伸長し, L1210白血病細胞に対する効果を調べた. (前田) 7)スタボマイシンの11,15ージアシル誘導体について制癌活性を調べた結果著しい増強作用が認められ毒性軽減とブレオマイシンとの協奏効果が認められた. スタボマイシンは, 細胞膜損壌作用があり膜に穴が生ずるとともに, グルコースおよび260nm吸光物質の漏出が認められた.
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