研究分担者 |
増田 康治 九州大学, 医学部, 教授 (10037377)
佐々木 武仁 東北大学, 医学部, 助教授 (90013896)
小野 公二 京都大学, 医学部, 助手 (90122407)
安藤 興一 放射線医学総合研究所, 室長 (00159526)
赤木 清 関西医科大学, 医学部, 助手 (30098115)
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研究概要 |
薬剤の分布が血流などに依存することに比し, 放射線が確実に照射野の組織にエネルギーをデポジットできることは, 放射線による腫瘍治療の特徴の一つである. できるだけ多くの癌細胞を殺し転移を少なくしながら, 正常組織に対する障害をできるだけ少なくする事が, 最重要である. 同じ線量でも障害の程度の違いを生じうるのはもっぱら両組織間の生物学的な因子の違いを利用することによる. 個々の器官, 腫瘍の放射線リスポンスの特異性に基づくよりよい時間的線量配分(可能なれば有効薬剤の併用も含め)を理論的に導き出すため, 1)腫瘍・正常組織の生物学的特異性に基づく効果的線量配分の決定に重要な種々の因子の解析, 2)腫瘍治療の『先行指標』の新たな開発, 3)正常組織障害の『先行指標』の新たな開発が, 本研究の目的であるが, 本年は先行指標の開発・確立に重点を置いた. 結果, (イ)腫瘍細胞の生死を予知する為の一連の先行指標, すなわちMRI(GdーDTPA)による腫瘍血流動態の定量, MRS(^<31>P)による腫瘍・組織細胞の代謝状態の測定, Biopsyを伴うがBUdR抗体/Flow cytometryによるCell growth Kineticsの解析, FDAやDNA BreakageやMicronucleiによる腫瘍細胞の生死予知の先行指標の開発が軌道に乗って進み, (ロ)正常組織後発障害や宿主反応の先行指標開発, (ハ)分割照射(一次巣原発腫瘍又は二次巣の治療照射)の転移への影響の研究が進行した.
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