研究分担者 |
広橋 説雄 国立ガンセンター研究所, 室長 (70129625)
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
内貴 正治 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10020752)
松本 亮 静岡県立大, 薬学部, 教授 (70046241)
山科 郁男 京都大学, 薬学部, 教授 (70025675)
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研究概要 |
癌化にともなう細胞表面糖鎖の変化は, 細胞癌性変化の中でも最も極った現象の一つである. これらの癌性変化を適格にとらえる為に複合糖質糖鎖に対する特異的単クローン抗体を作製し臨床診断等応用へ効果的に結びつける事が当班の目的である. 本年度研究成果として, これまで作製困難であった異好性型ガングリオシドNeuGc含有G_<M2>に特異的な単クローン抗体を始めて樹立した(永井). ヒト腸ガンムチン型糖鎖に特異的な単クローン抗体の作成特性及び癌診断応用の検討を行った(山科, 広橋). 得られたMSW102はNeuAcα2ー6GalNACクラスターを, MSW113はSialylーLe^a構造を, MLS128はNeuAcα2ー6GalNAc,GalNAcのいずれとも反応し, いわゆるTn抗原について新しい解釈が必要とされた. (山科). ヒト型モノクローナル抗体を得る為に, 癌患者脾細胞をリンホカインと抗μで刺激, さらに不溶化HD3で刺激した後, ヒトミエローマ株と細胞融合し, 6株の抗HD3抗体産生ハイブリドーマを得ることに成功した(内貴). 又試験管内刺激法の確立をする為諸条件を検討し, リンホカインの重要性とともに抗体産生モニタリングのためのフィルタープラーク法が有用であることが判った(今井). ヒト胎使中モノシアロガングリオシド(MSG)を抗原としてモノクローナル抗体を作製しそのエピトープはNeuα2ー6Galβ1ー4GlcNAcであることを明らかにした. この抗体を用いて癌患者血清中の抗原定量を行ない, 胃癌, 卵巣癌患者にこの抗原が高率に出現していることを明らかにした(松本). メラノーマから分泌される可溶性抗原は抗メラノーマTs細胞を誘尊しその結果メラノーマのinvivoでの増殖を増強することを明らかにした. 胎児型フィブロネクチン特異的な配列をcDNAから類推してペプチドを化学合成し, 胎児型特異的抗フィブロネクチン抗体, 作成した(千谷). 抗メラノーマガングリオシド抗原のエピトープ構造を調べた(田井). GM1合成酵素をラット肝より精製した(本家).
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