研究分担者 |
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
松本 秀雄 大阪医科大学, 法医学科, 教授 (30084809)
宮木 美知子 東京都臨床医学総合研究所, 研究室長 (20085624)
池内 達郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (90041839)
岩間 毅夫 佐々木研究所附属杏雲堂病院, 外科, 医員 (70114741)
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研究概要 |
1)家族性大腸ポリポージス(以下, FPCと略す)患者およびその家系構成員について, 連鎖分析に必要な試料を中心として採取し, 班員に配布するとともに凍結保存した. またポリープやその他の形質について本症の遺伝的異質性を検討した. (岩間, 池内, 外村) 2)患者に発生した大腸癌をヌードマウスに移植し, その移植片を培養して染色体分析を行なった. 分析可能であった4例中3例に, 染色体の数的および構造的異常が観察されたが, 3例に共通する特異的異常は認められなかった. 一方, 多型性DNAマーカーを用いて遺伝子のヘテロ接合型の消失について検索した結果, 大腸癌14例中の5例(36%)に22番染色体上の対立遺伝子の消失が認められた. そのほか, 5, 6, 15および12p染色体上の遺伝子のヘテロ接合型の消失が観察された. FPC患者の大腸癌発現には5q染色体上のFPC遺伝子の消失だけでなく, さらに多くの遺伝子や染色体変化が関与していることが示唆された. 1例ではあるが, 22番染色体の消失は染色体分析によっても確認された. (外村, 池内, 宮木) 3)Bodmerら(1987)によってFPC遺伝子が5番染色体の長腕に存在することが報告されたので, 同じC11p11プローブを用いて16家系について連鎖分析を行なった. しかし, TaqIで多型性を示す2つのDNA断片の頻度は0.92:0.08と極端に片寄っているために1家系のみがinformativeであった. (宮木, 笹月, 森, 湯浅, 松本) 4)正常大腸粘膜および患者のポリープよりcDNAライブラリーを作製し, 両者からのプローブを用い, 分別的ハイブリダイゼーション法により, 発現の高いcDNAクローンを検索し, ポリープ発生に関連したcDNAクローンを2株単離した. 一方, 正常粘膜ではより発現の高いクローンは得られていない. (湯浅)
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