研究分担者 |
石井 靖 福井医科大学, 医学部, 教授 (00026949)
小西 淳二 京都大学, 医学部, 教授 (70026970)
横山 陽 京都大学, 薬学部, 教授 (90025685)
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (80134063)
田中 栄一 放射線医学総合研究所, 物理研究部, 部長
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研究概要 |
サイクロトロンで産生される超短寿命のポジトロン核種^<11>C,^<13>N,^<18>Fおよび^<123>Iを用いて, 各種標識化合物の合成とその体内挙動に関する検討, ポジトロンCT装置の開発とそのアルゴリズムの検討およびこれらを用いた臨床研究が行われた. 放射性薬剤については, β位灰素を標識したプロピオン酸, 6-ジオキシー^<18>F-フルオロ-Dーガラクトーゼ, 6-^<18>F-フルオロ-Lーフコーゼ, ^<18>F標識N-アセチルイノラミン酸などを合成し, 腫瘍移植ラットまたはマウスに投与し, 腫瘍への集積性および腫瘍による差異が検索された. また^<123>I標識グルコース誘導体を合成し, 担癌マウスに投与して, 癌組織への高集積を認め, また本物質の血流脳関門の透過性の検討から, 本物質は膜透過機能の病的変化を選択的に評価し得る性質を持つSPECT用の最初の糖代謝機能診断用放射性薬剤になり得る可能性が示された. PETの性能向上のため, 高速逐次近似型アルゴリズムが開発され, 解像力の向上が認められ, またTOF型簡易ポジトロンカメラの試作が行われた. またPETの臨床利用に汎用性のあるコンパートメント・モデル解析法が検討され, 脳, 肝における臨床上の有用性が示された. 臨床研究では, 脳腫瘍, 腹部腫瘍, 肺癌患者に上記化合物を投与し, 腫瘍への集積と治療による変動が検索され, 腫瘍における特異な代謝活性の評価と, これを利用した腫瘍イメージングの研究が進められた. 特に治療による代謝の変化の検出は, 今後の臨床利用に大きな期待が持たれた. 本研究で示された成果は, 更に膜透過, 酵素活性, 受容体活性などの特異的な機能測定を目的とした新しい標識化合物の開発および臨床利用, 高性能PETの開発による定量性の向上へと発展し, 腫瘍の病態解明の進展, 癌診断の新しい領域への展開が期待される.
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