研究分担者 |
武藤 泰敏 岐阜大学, 医学部, 教授 (20010069)
坂井 進一郎 千葉大学, 薬学部, 教授 (20009161)
小清水 弘一 京都大学, 農学部, 教授 (90026518)
平田 義正 名城大学, 薬学部, 教授 (10022493)
首藤 紘一 東京大学, 薬学部, 教授 (50012612)
|
研究概要 |
(1)新しい発癌プロモーターとして, okadaic acidを見い出した. okoic acidは黒磯海綿から分離された分子量804のポリエーテルであるが, 渦鞭藻類が産生する海産毒と考えられている. Okadaic acidはphorbol esterのレセプターに結合せず, protein kinase Cを活性化しない. すなわち, akadic acidの作用機構はTPAータイプのそれと異なる. したがって, okadaic acidはnonーTPAタイププロモーターに分類される. ^3HーOkadic acidは細胞膜及び細胞質のフラクションに対し, 特異的な結合を示した. この結果は, okadaic acidが独自のレセプターに結合することを示唆している. 今迄の発癌プロモーター研究の中で, Okadaic acidは全く新しい作用機構を介して発癌を促進することが明らかになった. (2)TPA teleacidin及びaplysiatoxinがphorbol estexのレセプターに同様に結合することは, 今迄の研究から明らかである. 今回, Compater graphicsを用いて発癌プロモーターとレセプターとの特異的結合に必要な分子の物理的化学的性質による重ね合せを行い, その結果から予想されるレセプターの三次元的イメージを構築した. 今迄の発癌プロモーターのCamputer解析の中と異なり, 水素結合を考慮に入れた点が新しい. (3)Teleacidinにはteleーocidin Aの2つの異性体と, teleocidin Bの4つの異性体が存在する. 最近, これらの異性体の化学的合成を試みた. Teleocidin Aの全合成の際にAutipodes(非天然型)即ち, (+)teleocidin Aー1及び(+)ーteleocidin Aー2が得られた. (+)ーTeleocidin Aー1及び(+)ーteleocidin Aー2は弱いながらも, 種々の生物活性を誘導し, 又, レセプターに結合した. この生物活性が混在している天然型によるものではないことを検討する必要があった. 現在, 非天然型が生物活性を示すと考えている. 今後, 非天然型teleocidinが発癌プロモーション活性を示すか検討する.
|