研究分担者 |
有賀 寛芳 東京大学, 医科学研究所・ウィルス学, 助手 (20143505)
安藤 俊夫 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (20012693)
竹石 桂一 静岡県立大学, 薬品栄養科学, 教授 (90012608)
小祝 修 愛知県コロニー発達障害研究所, 生化学, 研究員 (50132923)
花岡 文雄 東京大学, 薬学部・生理化学, 助教授 (50012670)
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研究概要 |
本研究課題の目的はDNA合成を担う酵素, タンパク質因子の遺伝子の構造と機能の解析を通じて, これらの生理的意義を解明するとともにその発現調節と細胞癌化(増殖誘導)の関係を明らかにすることとにある. 本年度, 得られた主な実績は以下の通りである. (1)DNAポリメラーゼβ遺伝子の発現調節領域を詳細にしらべ, 2種のプロモーターが転写開始点より45塩基上流までにあり, それぞれに異なる転写因子が働いていること, さらに上流に, 2つの発現抑制領域の存在を証明した. また臓器特異的発現の結果から, β酵素が染色体組換えにも関与していることを示唆した(松影). (2)DNAポリメラーゼα活性を担う分子量18万のポリペプチドの部分アミノ酸配列をきめ, 合成プローブで遺伝子の一部のクローン化に成功した(花岡). (3)ターミナルトランスフェラーゼcDNAを基に, この遺伝子を単離し, 構造の一部を解明した. またこの酵素の活性中心にあるアミノ酸を決定した(小祝). (4)1.6万塩基対におよぶヒトチミジル酸合成酵素遺伝子の全配列を決定した. またこの遺伝子発現に重要な役割を果していると予想される, くり返り配列を見出した(竹石). (5)免疫スクリーニング法により, マウス及びヒトのトボイソメラーゼIのcDNAクローンの単離に成功した. また, 5千塩基よりなる, そのmRNAの同定も行った(安藤). (6)B型肝炎ウイルスの逆転写酵素の転写調節を司るプロモーターがこの遺伝子上流150塩基内にあることを証明し, ここに働きかける肝細胞に特異的因子の存在を示塑した(柳沼). (7)cーmyc,nーmyc,p53等がん遺伝子産物がDNA複製開始因子であることを見出し, cーmy推結合部位に複製開始点があることを証明した(有賀). (8)In vitro複製系を確立し, この反応がある種のリン脂質で阻害すること及びその標的がトポイソメラーゼIであることを示唆した(吉田). ■(9)3〜4万塩基対DNAのクローン化法を確立した(大木).
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