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光励起ポルフィリン誘導体の選択的ミトコンドリア障害による制がん作用

研究課題

研究課題/領域番号 62015033
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

川西 正祐  京都大学, 医学部, 講師 (10025637)

研究分担者 佐野 晴洋  滋賀医科大学, 学長 (60025533)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1987年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
キーワードポルフィリン / ミトコンドリア障害 / 制がん作用 / 脱共役 / 光励起 / 一重項酸素 / リン酸 / 水素イオンーシンポーター / SH基
研究概要

ヘマトポルフィリン(Hp)のアセチル誘導体は担がん動物やがん患者に投与されるとがん組織に蓄積し, レーザー光の照射によりがん組織の著明な壊死が観察されるので, これを利用した治療法が注目されつつある. トミコンドリアにポルフィリン誘導体が蓄積しやすいこと, およびミトコンドリアにポルフィリン誘導体を加えて光照射すると脱共役作用が起こることが認められている. この作用が光励起ポルフィリン誘導体ががん細胞の壊死を起こす本能である可能性が考えられるので, その作用機序を検討した.
ラットの肝ミトコンドリアをリン酸緩衛液中に懸濁し基質としてコハク酸を与えた後, Hpを加え白色光を照射すると脱共役が起こるが, エオジンー5ーマレイミドやNーエチルマレイミド(NEM)はその脱共役作用を阻害した. エオジンー5ーマレイミドはミトコンドリアの内膜を通過しにくいため, 細胞質側にあるリン酸/水素イオンーシンポーターのSH基を修飾することが知られているが, Hp存在下での光照射後ではこのSH基がエオジンー5ーマレイミドの修飾を受けることができないことが判明した. さらにESRを用いて, 光照射を受けたHpにより発生した一重項酸素とアミノ酸との反応を検討した. Met, His, Trp, Cysなどの一重項酸素と反応することが知られているアミノ酸のうち, アルコールを含む緩衝液中では, Cysが一重項酸素と最もよく反応することが判明した. 以上の結論としては, Hpの光照射により生成した一重項酸素が酸化的燐酸化に関与するSH蛋白質, 例えば32kDのリン酸/水素イオンーシンポーターのSH基を酸化し, シスチンまたはシステイン酸を生じ, このタンパクの構造を変化させ脱共役を起こす可能性が考えられる. この脱共役作用は低濃度のHpで起こるので, 制がん作用の本態である可能性が強く示唆された.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 山本亙二,川西正祐: 生化学. 59. 686- (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] S.Inoue,S.Kawanishi: Cancer Research. 47. 6522-6527 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Seki,S.Kawanishi,S.Sano: Toxicology and Applied Pharmacology. 90. 116-125 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 倉迫和幸,乾修然,川西正祐,佐野晴洋: 産業医学. 29. 783- (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 川西正祐,井上純子: 蛋白質,核酸酵素. 33. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] S.Kawanishi,K.Yamamoto: The Journol of Biological Chemistry.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Seki,S.Kawanishi,S.Sano: "Mechanisms of ChemicalーInduced Porphyrinopathies" The New York Acadimy of Sciences, (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 川西正祐: "産業内科学" 医歯薬出版, 10 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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