研究概要 |
ヒトCuーZnーSuperoxide Dismutase(Cu-Zn-SOD)は, in vitro, in vivoでそれぞれ非酵素的な反応によるglycosylation(glycation)をうけて不活性化することを明らかにした. 特に, in vitroでCuーZnーSODとグルコースをインキユベートすると, 時間依存性にグルコースとCuーZnーSODのE-Lysineとがシッフ塩基を形成する. Dー〔6ー^3H〕ーグルコースを取り込ませたのち, トルプシン分解し, HPLCでペプチド断片をとり, 各分画をアミノ酸分析することにより, glycationの部位を決定したところ, Lys^3, Lys^9, Lys^<30>, Lys^<36>, Lys^<122>, Lys^<128>が優性的にgly-cationをうけた. 特に, Lys^<122>とLys^<128>は, いわゆるactive site ligand-ing loopを形成しており, glycationによりCuーZnーSODは活性を低下させる. 早老症, 癌の合併頻度の高いWerner症候群から精製したCuーZnーSODは, このglycationが著しいことが明らかになり, 老化と癌化におけるSODのglycationの重要性が示唆された.
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