研究概要 |
肝硬変, 慢性肝炎, 大腸腺腫性ポリープを出発材料としてAFPならびにCEA遺伝子プローブ, 各種オンコジーンプローブ等を用いて, サザン・ブロットおよびノーザン・ブロット法ならびにin situ hybridization法によりDNAおよびRNAレベルでの変異ならびに増幅の有無およびその頻度を検索した. その結果, 一部の肝硬変組織においてAFP遺伝子の増幅を示す所見, ならびに大腸腺腫性ポリープの一部においてCEA遺伝子の増幅を示す所見が得られ, 前癌病変の観点から注目された. さらに各種モノクローナル抗体を用いた検索により, 肝および大腸前癌マーカーが次第に明確になってきたが, 特にras癌遺伝子産物p21に対するモノクローナル抗体による免疫組織学的検索で大腸ポリープ症の約60%にp21の増量が認められ注目された. 同様の成績はウエスタンブロット法ならびに酵素抗体法によっても確認された.
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