研究分担者 |
徳田 裕 東海大学, 医学部・外科学教室, 助手 (20163975)
篠塚 孝男 東海大学, 医学部・産婦人科学教室, 助教授 (30110901)
渡辺 克仁 東海大学, 医学部・内科学教室, 講師 (90102855)
垣生 園子 東海大学, 医学部・病理学教室, 教授 (30051618)
横山 清七 東海大学, 医学部・外科学教室, 助教授 (50096278)
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研究概要 |
自家骨髄移植法併用による大量化学療法治療例は, 本年の15症例を加えて, 合計147例,220回の実績となった. このうち58例80回は補助化学療法への本法の応用によるもので, 現時点での成績の解析は不能であるので, 89例での140回の治療的用法での成果について報告する. 治療的用法の対象症例は, 乳癌26例,膵・胆道癌133例,肺癌・胃癌各8例,大腸癌7例,婦人科癌・小児癌各6例,食道癌4例,メラノーマ3例,その他8例であった. 評価可能であった68例の奏効率は, 前治療例および大腸癌などの治療抵抗性のものを含めた全体で44.1%,完全寛解率は11.8%であった. 奏効率のとりわけ良好であった種類の癌の代表が乳癌で77.3%の奏効率が得られた. なお, 胃癌・肺癌・婦人科癌・小児癌などで50%の奏効率が得られた. 実験的研究の本年の成果としては, 骨髓液の非凍結保存法の検討で, 室温保存の限界が48時間であり, 現在の多剤併用プロトコルへの臨床応用は不能であることが明らかとされた. なお, 非凍結保存法の検討では, 各種の分化骨髄細胞のコロニー形成能の検討がされたが, CFUーMKが最も脆弱であることが明らかとされ, 本法を含めた癌化学療法一般での血小板回復遅延ないし不能例との関連において興味ある知見と思われた. 骨髄液の体外での分化誘導,エフェクター細胞・キラー活性の誘導などを含めたマニピュレーションの実験を併せて現在引き続いて実施中である. なお, 骨髄液中への腫瘍細胞混入に対するパージングについて新たな知見は得られていない.
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