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癌遺伝子産物の発現阻害と表現形態の正常化

研究課題

研究課題/領域番号 62015095
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関国立予防衛生研究所

研究代表者

上原 至雅  国立予研, 抗生物質部, 室長 (50160213)

研究分担者 水野 左敏  国立予研, 抗生物質部, 部長 (60072930)
村上 裕子  国立予研, 抗生物質部, 研究員 (00142133)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1987年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード癌形質 / 細胞骨格蛋白 / アクチンケーブル / 増殖の足場依存性 / ハービマイシン
研究概要

近年,細胞癌化における癌遺伝子発現の重要性が認識されてくるようになって,癌遺伝子産物の発現を阻止する物質の探索研究が活発化している. しかしこのような物質が果たして癌の新しい化学療法となりうるかの基礎的検討は未だなされていない. そこで我々は,先に癌遺伝子src発現ラットNRK細胞(tslNRKと略記,33°Cで癌化)において,src産物のチロシンリン酸化能を阻害して癌の形態を正常化する物質として見い出したハービマイシンを用い,この問題の基礎的検討を行ない,以下のことを明らかにした. 即ち,ハービマイシンは細胞の形態だけではなく,癌細胞に特異的な他の種々の表現形質も正常化した. 即ち,33°Cにおいて,ハービマイシン処理により細胞骨格蛋白のひとつアクチンのケーブル構造がほぼ全ての細胞に形成されることが間接蛍光抗体法により観察された. また, 癌細胞では正常細胞に比べ一般的にグルコースの膜透過が上昇していることが知られているが,ハービマイシン処理の細胞では,33°Cで2〜3倍上昇していたグルコースの取り込みが,39°Cの正常細胞のレベル近くにまで低下することも観察された. また, 癌細胞の造腫瘍性と最も相関性が高いと考えられている軟寒天中でのコロニー形成を,足場依存のコロニー形成に比べはるかに強く阻害することも観察された. 更に,ハービマイシンおよびその誘導体について,src機能発現の阻害活性,核酸・蛋白合成等の高分子物質合成阻害活性の比較を行ない,既に得られているエールリッヒ腹水癌に対する治療効果との関連について検討したが,src機能阻害活性とエールリッヒ癌の抗腫瘍性とは全く相関性がないことが明らかとなった. よって,癌遺伝子を標的とする癌化学療法剤の評価のためには,今後,特定の癌遺伝子を発現させた実験腫瘍モデルの開発と,それを用いた抗腫瘍効果の判定が重要な課題となろう.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yuko Murakami: Cancer Research. 48. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Yoshimasa Uehara: Virology. 164. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Yoshimasa Uehara: J.Antibiotics. 41. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 上原至雅: "癌'87(代謝第24巻 8月臨時増刊)" 中山書店, 7(197-203) (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 上原至雅: "図説臨床癌シリーズ「癌の臨床分子生物学」" メジカルビューネエ, (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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