研究分担者 |
渡辺 晃 東京大学, 工学部, 教授 (80011138)
酒井 哲郎 京都大学, 工学部, 助教授 (30026182)
宇田 高明 建設省, 土木研究所, 室長
阿部 勝征 東京大学, 地震研究所, 助教授 (40002175)
平沢 朋郎 東北大学, 理学部, 教授 (80011568)
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研究概要 |
1)地震断層運動の特性:全世界各地のデジタル地震記録, 遠地で得られた長周期SH波のデジタル記録の解析から, 断層運動の詳細が判明した. この地震では二つのイベントがあったとされていたが, 実は第3のイベントも存在した. 北緯407度以南の断層面は単純な平面でなく, 南ほど東下がり傾斜角が大きくなる, 少なくとも3つのグループに分かれていた. 2)海底地盤変動と津波初期波形:記録補正に必要な験潮井戸応答特性を, 40ヶ所について観測した. 応答特性時間は, 井戸の構造から得られる理論値の1-10倍となった. 補正後の津波波高が, 2倍にもなった例もある. 補正された験潮記録から, インバーション法で断層すべり量を求めた. 3)エッジボアの理論と実験:斜面勾配が1/20より緩やかであると, エッジボアは形成されない. 河道に入ったボアは, 先端物質の混合が激しいとき, 横断方向での波高一様化が急速にすすむ. 弱い場合は, 両岸で波高差がある. 4)津波数値シミュレーション:津波計算の数値化誤差の評価法を検討した. 数値的に生ずる分散項を物理的にあるべき分散項の代用として使い, 低次の方程式でも高次近似解を得る事が出来る. 5)津波先端部形状の決定法:砕波点より汀線近傍までに適応可能な, 渦動粘性を含む光線形分散波方程式, 及び汀線上に当てはめ得る, 流速分布を含む特性曲線方程式を導き, 実験値を説明できた. 崩れ波砕波による水塊の運動を数値計算し, 圧力や流速の分布の特徴を明らかにした. 砕波段波の波形と衝撃力の関係について実験を行い, 前年度に得られた理論の適用性が実証された. 6)津波先端部の破壊力:ブロックがどの位置どの高さにあっても, 最も不安定になるのは, 完全に水中にあって, しかも堤体が砕波の突っ込み点付近になる場合である.
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