研究概要 |
1)大気降下物 霞ヶ浦流域(筑波学園都市)で実測した結果, TIN・TPの降下量は, それぞれ1,030, 31.8kg/km^2年であり, その変動特性を明らかにした. 全国的にはそれぞれ40〜50, 1,000〜1,200kg/km^2/yを中心に分布していた. 2)山林 溶存物質の濃度は一般に水量増加時には低下したが, 低減時にはSi・Cl・Naは元のレベルに戻ったが, 植物の多量要素であるNO_3-N・K・Ca・Mgは降雨前のレベルより高くなる傾向が認められた. 3)農耕地 原単位法・流達モデルから推定したCOD・TN・TPの流出負荷量は, 谷津田ではそれぞれ360, 23, 8.1kg/ha/y, 平地水田では138, 52, 7.8Kg/ha/yであった. 浸透水量の大きい純水田地区の調査では, 作付期間のみでTN・TPそれぞれ20, 3.1kg/ha/yが流出した. 4)市街地 約120mの道路区間(幅員4.5m, 13個)の雨水マスの堆積物と残留水による負荷量を測定した結果, BOD 0.2, COD 0.8, SS 9.5, TN 0.07, TP 0.01kgであった. 雨水マスから流出する汚濁負荷量をシミュレートするモデル式を作成した. 5)河床堆積物 約50地点の平均値は冬期でCOD 120, TN 19, TP 4.5g/m^2で, 1km当たり排出負荷の1〜2日分に相当した. 抽水植物の堆積量はCOD 1,800, TN 34, TP 5.6g/m^2で, 1kmあたり晴天時流出負荷のそれぞれ280, 39, 39日分に相当した. 6)汚濁物質の河川流出モデル 原単位と実測データあるいは全国レベルの流域情報から流達負荷量を推定する(1)流域一括流達モデル, (2)原単位・流達率連結モデル, (3)土地利用別複合流出モデル, (4)水質・流出予測モデルを構築した.
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