研究概要 |
フィリピンと台湾の間に点々と浮かぶ小島に行われるバタニック諸語の言語学的位置を明らかにするために必要な基礎資料を,バタニック諸語および周辺言語について,昭和60年度の第I回本調査に引き続き現地調査によって採集する. 前年度は語彙調査を主体としたが,今年度は次の2点を主たる目標とした: (i)各言語の比較を容易にするため,前年度調査した語彙のうち特に基礎的と考えられる約200項目について例文を準備し,その翻訳を行った. (ii)文法調査.これも比較を容易にするため,調査すべき文法項目を約200項目選び,それぞれの項目を織り込んだ例文を作り(全部で440例),翻訳を行った.(i)(ii)の項目選定と例文の作成はフィリピン国立大学のコンスタンティーノ教授に依頼した. 土田は前年度に引続きヤミ語と並んでルカイ語の調査を行う予定だったが,土田が現地調査を行う直前に台湾の他の研究者がルカイ語調査を行ったことが判明したので,急遽予定を変更し,これまた今まで調査されていなかった日月潭のサオ語の調査を行った.土田以外のメンバーの調査は予定通り行われた. 今年度調査して得られた成果は63年度に総括として出版する予定である.
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