研究分担者 |
佐藤 禎宏 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (50114161)
前田 康子 横浜国立大学, 教育学部, 教授
数野 美つ子 東邦大学, 理学部, 教授 (30152664)
田阪 茂樹 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (60155059)
児玉 康一 名古屋大学, 理学部, 教務補佐員 (70211901)
星野 香 名古屋大学, 理学部, 助手 (70022738)
丹羽 公雄 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60113445)
G Baroni ローマ大学, 理学部, 教授
G Vanderhaeg ヨーロッパ共同原子核研究所, 名誉教授
G Romano サレルノ大学, 理学部, 教授
W.J Willis ヨーロッパ共同原子核研究所, 教授
寺中 正彦 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (50046934)
林野 友紀 東北大学, 理学部, 助手 (10167596)
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研究概要 |
CERNの加速器で世界最高のエネルギー200A GeVまで加速される^<16>Oおよび^<32>Sイオンビームと原子核との衝突の中心部において瞬間的に発生する超高温・超高圧状態で実現すると考えられる核物質のクォークグルーオンプラズマへの相転移の有無を検出し, その性質に関する新しい知見を得ると共に, この反応で生成されるチャーム粒子等の重いフレーバークォークを含む新素粒子の生成率の変化を調べ, 物質の基本的階層における物理法則を探ることを目的とする. 7月に日本から送付した富士写真フイルム社製の原子核乳剤を用いて, 8月からCERNの塗布室で原子核乾板を製作して, 17個の標的チェンバーを組み立てた. これらを用いて9月下旬にCERNーSPS加速器からの200A GeVの高エネルギー^<32>Sイオンビームを照射する実験を行い, 約百万個の反応を記録した. 10月上・中旬にCERNの現像室で規定の処方に従って照射剤の原子核乾板を現像し, 名古屋大学に返送した. これらの乾板は, 自動解析装置に適合するように5cm×5cmのミニプレートに切断し, 同一標的の同一部分に属する各8枚のミニプレートを各1枚の透明プラスチック板に展開接着した. 測定解析の約半分をヨーロッパ側が引き受けることになったので, その分のミニプレートを12月上旬にCERNに送付した. ^<32>Sイオン反応の測定解析は, 標的と組み合わせたカウンターの情報処理(ヨーロッパ側の分担)結果を受け取った後に本格的に開始する. 本研究の予備実験として1986年度にCERNで収集記録した^<16>Oイオン・原子核反応約百万個の測定解析を本年度に行っている. 200個以上の二次粒子の生成を含む激しい中心衝突と考えられる反応を優先的に解析した結果, このような反応ではチャーム粒子の生成率が普通の反応に比較して大きい可能性が示唆された. また, 生成粒子の方位角分布にある種の特徴が有ることが示唆された. これらの傾向が本物であることを確かめるには, 統計を増すと共に普通のイオン反応及び陽子・原子核反応との比較が必要である. 同じエネルギーの陽子の照射実験を行う可能性についてCERN当局に打診したところ, 1988年4月に実施することを認められたので, 実施計画を修正し, 3月にそのための準備を行い, 4月に照射実験を行うことを追加した. ^<16>O, ^<32>S, 陽子反応の解析結果は, 1988年度以降まとまり次第順次共同研究論文として出版する.
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