研究分担者 |
A Seetharam 全インド雑穀改良計画, 研究部長
棚瀬 慈郎 京都大学, 文学部, 教務補佐員 (10222118)
谷 泰 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60027563)
松井 健 神戸学院大学, 教養部, 助教授 (50109063)
応地 利明 京都大学, 文学部, 教授 (60024212)
小林 央往 京都大学, 農学部, 助手 (50026605)
木俣 美樹男 東京学芸大学, 野外教育実習施設, 助教授 (90014852)
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研究概要 |
インド亜大陸における雑穀の遺伝的変異を調査・収集し,変異の地理的分布を明らかにする. 同時に雑穀畑の随伴雑草を調べ,雑穀一雑草複合の実態を明らかにする. また創穀の農法,民俗分類ならびに利用法を比較し,その類型を把握するとともに各類型の分布を明らかにする. さらに牧畜民の家畜飼育も視圏に入れて,雑穀をめぐる農牧複合を明らかにする. (1)インド亜大陸における雑穀の遺伝的変異とその分布の調査には,隊員の阪本と研究協力者の河瀬が,パキスタン農業研究センター植物遺伝資源部長R.アンワール博士の参加を得て,パキスタン北部カラユラム山系の山村で主にアワとキビの調査・収集をおこなった. また小林と木俣は,全インド雑穀改良計画のA.シーサラム博士とインド国立植物遺伝資源局のM.N.コーパー博士の協力を得て,マハラシュトラ,アンドラ・プラディシュ,オリッサの各州において,アワ,キビ,インドビエ,コド,サマイなどとそれらの近縁種ならびに随伴雑草の調査と収集をおこなうとともに,栽培法,収穫法,利用法などについて聞き込み調査をおこなった. この調査の後半には,阪本と河瀬も参加した. またインド東部についても予備的調査をおこなった. これらの収集植物は圃場に栽培し,くわしい調査をおこなう予定である. (2)インド亜大陸における雑穀栽培の農法(栽培技術,農具,民俗分類,利用法など)の比較研究の調査には,隊員の応地がパキスタンのスワット,シンド州とインドのデカン高原北部と南東部において詳細な聞き込み調査と観察をおこなった. また隊員の松井は雑穀栽培の西端部に近いパキスタン西南部マクラン州の農牧民の調査を第一次調査にひきつづきおこなうとともに,インド西部のグジャラートおよびラジャスタン2州の農牧民についても調査を進めた. これらの資料は昭和60年度第一次調査でえられたデータと比較分析をおこなう. (3)インド亜大陸における雑穀栽培と家畜飼育の有機的結合と人間との関わりを調べるために,隊員の谷と棚瀬が第一次調査をさらに深めるために,カシミール山地およびラジャスタン州において農牧民の家畜管理,農牧複合と食生活の関係について調査をおこなった. これらの資料は今までおこなったユーラシア西南部でのデーターと比較分析する予定である.
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