研究分担者 |
SILVESTON P. Wateloo大学, 化学工学, 教授
菅原 勝康 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (60154457)
京谷 隆 東北大学, 非水研, 助手 (90153238)
横野 哲朗 北海道大学, 工学部, 助手 (50109500)
三浦 孝一 京都大学, 工学部, 助教授 (40111942)
阪田 祐作 岡山大学, 工学部, 助教授 (70032951)
古澤 健彦 東京大学, 工学部, 助教授 (20011083)
鈴木 俊光 京都大学, 工学部, 助教授 (70026045)
富田 彰 東北大学, 工学部, 教授 (80006311)
玉井 康勝 東京理科大学, 工学部, 教授 (80006288)
|
研究概要 |
本共同研究は, 日本とカナダ両国間に締結されている「日加科学技術協力協定」に基づいて, 日加両国の研究者が協力して, カナダの石炭からガソリンを始めてとする高価値液状物質と高性能吸着剤, 製鉄用コークスなどを効率的に製造する新しい方法を開発することを目指す. さらに, 本共同研究の推進によって日加両国により緊密な信頼・協力関係を構築し, 長い将来に渡って石炭の安定供給と科学技術交流を継続できる途を開きたい. 具体的には, 両国の研究者の交流,カナダでの短期ならびに長期の調査研究,情報交換を実施する. 1.昭和62年6月5日より6月20日の16日間,研究代表者橋本,分担者富田,玉井の3名は日加共同研究先となるBritish Columbia大学,Alberta大学,Alberta Research Council CARCL,カナダ鉱物,資源省エネルギー研究所(CANMET),Waterloo大学等を訪問し, 具体的な共同研究のプログラムについて詳細な打合せを行い,Waterloo大学において, カナダ側の上記諸機関の参加を得て, 共同研究の枠組み, 長期的展望,成果の取り扱い等について協議し, 今後の共同研究の進め方についての合意を得た. 2.昭和62年7月10日から8〜10週間に渡り, 分担者はそれぞれ以下の研究機関に滞在し次の研究課題に基づき, 共同研究を実施した. また, この研究の今年度のまとめとして中間報告書を作成した. (i)鈴木(CANMET)カナダ炭の接触ガス化特性ー鉄触媒の原子価状態について バルマー炭チャーにFe(NO.ナ_<3.ニ>).ナ_<3.ニ>を担持してCO.ナ_<2.ニ>/CO混合ガスでガス化した結果, 950℃で鉄は無触媒時の10倍のガス化速度を促進することがわかった. また, この促進効果は酸化・還元サイクリの数によることを明らかにした. (ii)阪田(British Columbia大学)カナダ炭のガス化特性に関する研究調査 種々のカナダ炭の固定層,撹拌層ガス化を実施し, ガス化反応を解析し高灰分炭にも適用できる汎用性に富みかつ精度の高い相何式を提出した. また, 固定層ガス化と微分層熱重量法により結果の対応について検討した. (iii)三浦(Waterloo大学)各種石炭転換プロセスで生成する固体の有効利用 種々の条件下での熱分解チャーのガス化特性を定速昇温法によって解析する方法を提出した. また, それに基づき熱合解条件のガス化特性に与える影響を評価した結果, 熱分解温度,酸処理により反応性が大きく異なり熱分解温度の低いチャーは2つの異なる反応から成っていること等が明らかとなった. (iv)横野(Alberta大学)Alberta亜瀝青炭の急速熱分解とタールの組成 気流層型装置により急速熱分解実験を行い, 種々の因子の影響を検討した結果,熱分解生成物は化学組成のみならず灰分,石炭組織,含酸素化合物の働き等が影響していることを明らかにした. (v)京谷(Waterloo大学)カナダ炭の迅速熱分解および高温脱流 カナダ炭の触媒迅速熱分解を実施して石炭中の鉱物は熱分解過程に関与しないこと,Na炭はフェノール, 収〓を増加することを明らかした. (vi)菅原(Alberta Research Council)Alberta炭迅速熱分解チャーのガス化特性 迅速熱分解チャーのガス化特性を検討し, Smoky river炭では迅速熱分解により細孔表面積が増加し, ガス化速度が増加することを明らかにした.
|