研究分担者 |
半澤 和夫 日本大学, 農獣医学部, 専任講師 (60147676)
小崎 隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (00144345)
溝田 智俊 九州大学, 農学部, 助手 (10089930)
矢澤 進 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90026550)
久馬 一剛 東京大学, 農学部, 教授 (80027581)
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研究概要 |
東アフリカ大地溝帶地域はアフリカ内でも比較的人口密度が高い地域であることはよく知られており,併せて農業的土地利用も進んでいる地域である. 本研究の目的はこの地域の農業を農地生態学的諸要因(主として気候と土壌)との関係で調査することによりアフリカにおける在来農業の発展の条件を探ることである. 今回の調査では大地溝帶地域の西側に位置するザイール国キブ州が調査の対象となった. 農業班はキブ湖周辺の2つのlocaliteを送定した(KashenyiとBugobe Centre). いずれも州都Bukavnから30〜35kmに位置している. 標高は前者が1,700m,後者が1.920mであり,両地はKabare collectiuiteに属する高人口密度地域にある(Kabuyeの平均243.9人/km^2). Kabareの植生は高地森林草原帶に属しているが,人口密度の増加もあり,森林の開伐が進み,標高2,200〜2,300mの地域まで耕地として利用されている. 農耕形態は短期休閑型(Bush fallow)の農耕が行なわれている. 両地とも降水量は1,200〜1,400mm/年の範囲にあり,雨・乾季に分かれるが,作付シーズンとしては9月〜1月のnati,2月〜5月までのCiburabura(以上雨季)と5月〜8月のChanda(乾季)に分けられる. ここでの耕地の種類は(1)丘陵台地,傾斜地の畑地(ishwa),(2)バナナ畑(lukoma),(3)丘陵間の湿地(luziba),(4)休閑地(murhendo)と(5)園地畑(eshwa liya hbuga)からなる. 両地域での作物栽培は,主として,インゲン豆,ソルガム,トウモロコシ,キャッサバ,サツマイモ,ラッカセイの各種組合せによる混作である. 作付順序については一定の法側を見付けることは困難である. 休閑地は近年減少し,1年未滿の短期休閑が多くなりつつある. これは人口増加に伴う耕作地の不足に起因するものと考えられる. そのため,農民は湿地の開発を進めている. 湿地は主として乾季の作付となるが,各種の野菜栽培(キャベツ,カリフラワー,リーキ等)が導入されはじめている. 一方,土壌班はこの地域の土壌調査を行なったが,高い人口支持力が高い土地生産性にあるとの予想のもとに,それを可能にすると考えられる土壌肥沃度に焦点を当てその理化学性調査のため多量のサンプリングを行なった. 分析は国内で耕度の総括予算で行なう予定であり, その結果が上記の関係を明らかにし得ると期待される.
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