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熱帯性山地林におけるゴリラ,チンパンジー及び他種霊長類間の種間関係に関する総合研究

研究課題

研究課題/領域番号 62041104
研究種目

海外学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関(財)日本モンキーセンター

研究代表者

山極 寿一  財団法人日本モンキーセンター, 研究員 (60166600)

研究分担者 ムワンザ ンドゥンダ  ザイール科学省, ルウィロ研究所, 研究員
湯本 貴和  京都大学, 理学部, 日本学術振興会特別研究員 (70192804)
浜田 穣  財団法人日本モンキーセンター, 研究員 (40172978)
丸橋 珠樹  武蔵大学, 人文学部, 助教授 (20190564)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1987年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
研究概要

本研究は, アフリカ大陸の標高の異なるいくつかの熱帯性山地林で, 同所的に生息する霊長類間の共存様式,及び種間関係を分析することを目的とする. その主眼は各種霊長類の生活様式と森林構造との対応,種間の競合と共存の実態を調べ,霊長類の進化と適応放散の歴史における種間関係の意義を異なる学問分野から総合的に解明することにある.
昭和62年度の現地調査は,ザイール国の科学省と自然保護局,ルワンダ国の国立公園管理局の支持と協力のもとに実施された. 現地で収集した森林構造,各種霊長類の食性や採食様式,土地利用,個体密度や集団密度等に関する資料,霊長類の外部形態や体構造に関する資料は現在分析中であるが,今までに以下の結果を得ている. リザイール国の低地熱帯多雨林に生息するゴリラの生態が初めて明らかになり, ゴリラは食性から見て二次的な再生植生に適応していることから,第4紀に高山地帯から低地へ向けて分布域を拡大したという仮説がより確実となった. 2)ゴリラとチンパンジーは低地でも山地でもほぼ同じ個体密度で同所的に生息している. 両種は環境破壊が顕著な地域では,同じ食物を利用することが多く,環境破壊が見られていない地域でも頻繁に川辺林を重複利用していることが判明した. 3)カフジ地区においてチンパンジーが地中のハリナシバチの巣を掘り出すために使用した掘り棒を発見した. 掘り棒の使用はまだカメルーンに生息する別の亜種にしか認められておらず, シロアリなどチンパンジーが好んで摂取する動物食物種が少ない山地林生態系で独立的に発生した文化的行動様式と考えることができる. 4)調査域に同所的に生息していることが確認された9種の霊長類は,共通に地持する5種の果実以外はそれぞれ異なる果実を採食しており,また体構造や歯冠の計測からまず体のサイズと異なる食性によってすみ分けていることが推測され, 採食生態と体構造から見た霊長類の種間関係が明らかになりつつある. 今回の調査によって, ザイール国のイテベロ地区に本研究を推進する上で最適な調査基地を設営する目処が立ち,科学省と自然保護局の合意を得ることができた. 今後は対象となるゴリラ,チンパンジー,及び他種霊長類の集団を定め,採食生態や集団内外の個体関係について集中的な調査を行なうつもりである.

報告書

(1件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] Primates. 24巻 2号. (1983)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 遺伝. 39巻 10号. (1985)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Ecological Research. 21巻. (1986)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Primates. 27巻 3号,4号. (1986)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Primates. 28巻 1号. (1987)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Primates. 29巻 1号,3号. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 霊長類研究. 4巻 1号. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] "Studies on Living and Fossil Primates In Africa" Kyoto University Primate Research Institute, (1982)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] "ゴリラー森に輝く白銀の背" 平凡社, (1984)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] "Kyoto University Overseas Research Report of Studies on Asian NonーHuman Primates IV" Kyoto University Primate Research Institute, (1985)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] "Evolution and Coadaptation in Biotic Communities" University of Tokyo Press, (1987)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] "Kyoto University Overseas Research Report of Studies on Asian NonーHumon Primates VI" Kyoto University primate Research Institute, (1987)

    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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