研究分担者 |
中村 健三 高エネルギー物理学研究所, 助教授
谷森 達 高エネルギー物理学研究所, 助手 (10179856)
坂田 通徳 甲南大学, 理学部, 助教授 (60068111)
渡瀬 芳行 高エネルギー物理学研究所, 教授 (70018662)
森 正樹 京都大学, 理学部, 教務補佐員 (80210136)
山本 嘉昭 甲南大学, 理学部, 教授 (70068112)
村上 一昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (40087359)
藤井 善次郎 名古屋大学, 理学部, 助手 (10022724)
手嶋 政広 東京工業大学, 理学部, 助手 (40197778)
松原 豊 東京大学, 宇宙線研究所, 教務補佐員 (80202323)
林田 直明 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50114616)
村木 綏 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (70013430)
笠原 克昌 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (00013425)
木船 正 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授
湯田 利典 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (60092368)
大橋 陽三 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80022599)
永野 元彦 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (00013384)
政池 明 京都大学, 理学部, 教授 (40022587)
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研究概要 |
ニュージランド国ブラックバーチ山(1650m)に空気シャワー装置およびチェレンコフ光観測装置を設置し, 1987年2月23日爆発が観測された大マゼラン雲中の超新星1987Aからの高エネルギーガンマー線を観測し高エネルギー宇宙線の加速機構を調べる. この研究はオークランド大学(ユュージランド)及びタスマニヤ大学(オーストラリヤ)との共同研究として行う. 超新星爆発直後に形成された高速に回転する中性子星近傍で荷電粒子が超高エネルギー領域まで加速されることは1977年に佐藤文隆によって予言されている. 380年ぶりに我々の近くに出現した超新星1987Aに中性子星が生まれた可能性は極めて高く, 従ってこの天体で超高エネルギー領域にまで加速されか荷電粒子が作り出す高エネルギーガンマー線を探索するのがこの研究の主な目的である. 高エネルギーガンマー線は爆発後半年位の間に出現すると言う予測があるので観測装置を早急に南半球の高山に建設する必要があった. 8月末より4名の研究者をニュージーランド現地に派遣し, オークランド大学の研究者と協力して100TeV以上のガンマー線観測の為の空気シャワー装置の建設を行い10月より観測に入った. またTeV領域のガンマー線観測用のチェレンコフ光観測装置(ミラー)は10月末より建設を行い12月初旬より観測態勢に入った. 現在両装置を用いて観測を行っている. 現在これらの装置で得られたデータの解析を日本で進めている. まず空気シャワー装置で得られたデータの解析から, 100TeV以上のエネルギーのガンマー線が超新星1987Aから到来しているという確たる証拠ははまだ得られていない. またミラー装置によって約2TeV以上のシャワーが作るチェレンコフ光が観測されている. 2月までの全データを通して見る限り1987Aからのガンマー線の到来は特に認められていない. しかし, 宇宙科学研究所の銀河衛星でバーストが観測され1月15日頃に最大値に達っしているようである. 我々の観測装置でもその当りに増加が認められるかどうかを調べるためデータを慎重に解析している段階である. 今後さらにこれらの装置の改良, 増強を行い, 次年度以隆も観測を継続する予定である.
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