研究分担者 |
山中 速人 放送教育開発センター, 研究開発部, 助手 (30160542)
島田 裕己 放送教育開発センター, 研究開発部, 助手
森永 茂喜 放送教育開発センター, 研究開発部, 助教授
祖父江 考男 放送大学, 教授
阿部 美哉 放送教育開発センター, 研究開発部, 教授 (30151111)
MORINAGA Shigeki Associate professor,Research and Development Division,NIMME
SHIMADA Hiromi Instructor,Research and Development Division NIMME
SOFUE Takao Professor,University of the Air
YAMANAKA Hayato Instructor,Research and Development Division,NIMME
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研究概要 |
本調査の目的は, 様々なメディアを活用した教材を制作することにより遠隔教育のモデル的な教材の方向性を探ることにある. 遠隔教育における新たな教材作成の方向は, 各種のメディアを媒介にして学習を進める学生に対して, 生の素材・資料を提示し, さらに教室では不可能な, 研究過程の疑似体験を与えることに重点が置かれている. その方向を目標とする教材を作成するためにに具体的な作業を行う場合に遭遇する問題点を明らかにし, その問題点を解決しながら, 教材の試作を行う. その教材は, アジア諸国の遠隔教育機関で, 効果測定することとし, その際に教材の利用が容易となるように各国で共通の関心となる問題を中心テーマとして設定する. この研究では, 各アジア社会の比較を行うものとし, 比較のための視点を「米から見たアジア社会」とし, 稲・米・米食について各国の共通性と相違点を考察する. 学習者に直接の情報を与えるために, マルチメディアの活用が望まれ, アジア各国における米をめぐる社会状況についての資料を収集する際に, 文献や写真資料にとどまらず, ビデオ映像や音声資料の収集を行わなければならない. そこで, 現地の遠隔教育機関のマルチメディア教材作成の専門家とともに, 教材において最も適切な映像資料の収集を行うものである. この調査研究では, マルチ・メディアを利用して遠隔教育における教材のモデルを制作するという目的から, 従来の教材からは得ることのできない, 生の素材・資料を提示するために, 特に映像に重点を置いた素材・資料の収集を行った. 素材・資料の収集にあたっては, 「アジアの社会ー稲と生活」というテーマから, 東アジア・東南アジアに設定されたフィールドでかねてから当該地域で研究を行っている農業経済学・稲作等の専門研究者と各国の研究者の協力を得て, 教育番組制作の専門家を監督として効率的かつ系統だった映像収集活動を行うことができた. 収集された素材・資料は, マルチ・メディアによる遠隔高等教育教材として, 映像教材, 音声教材及び印刷教材に構成・編集され, 日本では放送大学番組「アジアの社会ー稲と生活」として活用される. また, 素材収集及び番組制作に協力を仰いだ海外の遠隔高等教育機関においても, この番組を授業等で使用しその効果を測定することにより, マルチ・メディア教材制作の方向性が見い出される.
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