研究分担者 |
B. G. Logana 海洋生物学研究所, 研究員
A. N. Subram 海洋生物学研究所, 助教授
V. K. Venugo 海洋生物学研究所, 教授
武岡 英隆 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90116947)
河野 公栄 愛媛大学, 教務補佐員 (50116927)
本田 克久 愛媛大学, 教務補佐員 (10314973)
田辺 信介 愛媛大学, 農学部, 助手 (60116952)
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研究概要 |
乾期と雨期の交代する熱帯域における農業・重金属類の環境動態(移動・集積・分解・生体影響)とそのメカニズムを明らかにし, 既住の温帯・寒帯における研究成果と対比に熱帯自然環境・生態系の農業・重金属に対する応答の特徴を探ることを目的とする. 本年度は, 本調査に活用しうるデーターの入手ならびに調査計画の詳細を補完するための予備的調査を行なった. 本年度は3ヶ年計画の初年度として, 昭和62年12月に現地調査を行った. インド側共同研究者,アンナマライ大学海洋生物研究所長ベヌゴパラン教授らと現地における調査研究計画,とくに調査地域の設定,試料採取法,支援体制などについて最経的ツメを行い,知計画に従ってベラ河流域の大気,水田土壌,陸水, マングローブ生態系の調査と試料採取を行い,ほぼ所期の目的を果した. この間,現地研究者に大気採取法,吸着法による水中微量成分捕集法などの訓練も実施した. 試料の大半は日本に持帰り, 研在HOHを中心に有機塩素化合物及び重金属についての詳細分析が進行中である. 予備的成果ではあるが,いくつかの興味ある事実や見方を見出した. たとえば,熱帯水田土壌は有機物に乏しいため農薬など化合物質の保持能が低く, また重粘土のため田面水口水平に流れ, 下方への滲透は少ない. 従って散布農薬は, 使用点での残留性は大きくはないが, 未分解のまま広域に拡散すると思はれる. 乾期ではさらに揮発拡散の割合は高くなるであろう. この点については今年夏の主要な調査課題となる. またこうした広域拡散性が海岸にどのような影響を及ぼすかも今後の重要な検討課題である. さらに南インドでのマングローブ林が意外と単純な生態系であり, そこでの乾期を雨期における化学物質のゆくえモデルは比較的簡単なパラメータで近似できるかもしれないという感触をえた. 今までとはやや異ったマングローブ生態系についての程点を提示できるかもしれない. 来年度以降の詳細計画,あるいは初年度成果にもとづく調査計画の修正や追加は, 現在進行中の分析の結果待ちではあるが, 本年8月頃を予定している二回目の理地調査時までに, 一応のメドをつけたい.
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