研究概要 |
シルクロードの代表的隊商都市パルミラを発掘調査し, 出土遺物の美術考古学的研究を行い, 周辺・東方の文化との関連を究明する. 今回の調査はトルコとシリアで行った. トルコ南部のニムルド・ダーなどの遺跡では前1世紀の人物, 神像彫刻の写真撮影を行い, 所定の資料を得ることができた. また, 実測によって神の配置や構造に関する基礎的データも得られた. これにより「コンマゲーネ王国の彫刻」資料集を出版することが可能となり, シリアのパルミラの彫刻との比較資料を得ることができた. シリアではパルミラの古墓の発掘調査を目的としており, 今回は, その調査に適切な場所と地理的条件を確認した. パルミラ効外の死者の谷南方の広大な地域(1000X500メートル)に未発掘の地下墓が存在する可能性が予想され, この場所で「地下レーダーシステム」によって探査を行うことが最も適当と判断された. 第一回の本調査は地形測量から始めたいと考えている.
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