研究分担者 |
UPATHAM S. マヒドール大学, 医学部, 教授
AHMED S.S シンド大学, 理学部, 教授
近藤 力王至 金沢大学, 医学部, 助教授 (00079724)
赤羽 啓栄 福岡大学, 医学部, 助教授 (30020754)
茅根 士郎 麻布大学, 獣医学部, 助教授
堀 栄太郎 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30049762)
中島 康雄 山梨医科大学, 医学部, 教授 (20039845)
宮本 健司 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30091581)
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研究概要 |
1).媒介生物が関与する寄生虫には問題が多い. そこで, 媒介生物の調査, 感染実験, 病性を判別するため 2).遠隔農山村地区では, 季節的調査を要する. 乾期から初冬のデータを補足するため 3).収集情報, データ, 標本について徹底的に検討を加える. 熱帯で乾地を擁する南部パキスタンでは, 人の一般寄生虫は案外少なかった. 一方, 食品,飲料水および昆虫にかかわる寄生虫は, その介在物とのからみで, 流行分布していることが判明した. 例えば, 汚泥地域には腸管原虫が, オアシス的飲料水のある乾地には鉤虫,メジナ虫が, また. 蚊の分布している所にはマラリアがみられ, 程度の差こそあれ問題となっていた. 海外に航路をもつ港(漁港含む)や空港近くの野鼡からは, 人にとって危険かつ問題を与えるような寄生虫は, 今のところ見出されなかった. 今回の調査結果を, 結論的に総括すると, まず, 高温多晶な東南アジアに比して, 西南アジアの乾地では, 一般的寄生虫の分布は案外少ないことがわかった. 今後の問題点ないし調査のポイントをあげるならば; 1)アラブの特性である人(女性)が家にたむろしがちであり, その集積性に深いかかわりをもつ蟯虫. 2)オアシスの飲料水(ミジンコ)が介在するメジナ虫. 3)蚊が媒介するマラリアおよび. 4)山岳地帯の野獣肉に由来する寄生虫が対象となるであろう. 次回において, もし調査が可能ならば, これらに焦点を合わせ, 更には, 北部山岳地帯(中国,アフガン国境)の調査にも意欲を投じたいと考えている.
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