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循環器疾患と栄養に関する国際共同研究ー中国における危検因子の分析ー(日中友好脳卒中・心筋梗塞予防共同研究計画)

研究課題

研究課題/領域番号 62043050
研究種目

海外学術研究

配分区分補助金
応募区分調査総括
研究機関島根医科大学

研究代表者

家森 幸男  島根医科大学, 医学部, 教授 (80025600)

研究分担者 張 維忠  中国上海高血圧研究所, レジデント
劉 力生  中国医学院心血管研究所, 高血圧研究部, 部長
孫 新哺  中国チベット医学研究所, 教授
干 洪  中国上海高血圧研究所, 薬理研究部, 部長
奈良 安雄  島根医科大学, 医学部, 助手 (80116417)
ZHANG Wei-zhong  Resident,Shanghai Research Institute of Hypertension
LIU Li-sheng  Chief,Cardiology Department and Hypertension Division,Chinese Academy of Medecal
SUN Xin-fu  Professor,Tibet Institute of Medical Science
WANG Hong  Chief,Department of Pharmacology,Shanghai Research Institute of Hypertension
研究期間 (年度) 1986 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1987年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
キーワード疫学調査 / 高血圧 / 中華人民共和国 / 新彊 / 食塩
研究概要

我々はすでに過去2年間にわたって中国の6地域(拉薩, 北京, 石家荘, 上海, 貴陽, 広州)で疫学調査を行ない, 以下の興味ある結果を得ている. すなわち, 最高・最低血圧は共に食塩(Na)摂取, Na/K摂取比と正相関, 魚蛋白摂取の最良の指標である尿中タウリンレベルと強い逆相関する.
今回調査対象とした新彊ウィグル自治区は少数民族が雑居しており, 各民族はそれぞれの食習慣を守って生活していて, 民族によって循環器疾患の発症率が異なっているといわれている地域である. 彼等は同一環境下で生活しているため, 彼等の食生活と循環器疾患との関係を調査すれば, 栄養と循環器疾患との関係がより一層明らかになると考えられる.
まず今年度は, 新彊ウィグル自治区在住の主に漢人を対象に調査を行なった. 対象者は50才から54才の住民のうち無作為に男女それぞれ100人を抽出した. 血圧は測定者による差異をなくすため, 我々が新たに開発したコロトコフ音自記自動血圧計を用いて測定した. 測定は被験者が少なくとも5分間以上安静にした後, 3回座居で行なった. 採血は早期空腹時, 座居で上腕静脈より行ない, 血清または血漿は3000回転, 10分間遠心して分離した. 血清, 血漿, 赤血球は遠心分離後, サンプルチューブに分取し, ー20℃で凍結した. 24時間尿は疫学調査のために我々が新たに開発した特殊採尿器(アリコートカップ)を用いて行なった. この器具は24時間中の全尿量の約40分の1量が正確に採尿できるものである. 凍結した血清, 血漿, 赤血球, 尿はドライアイス詰めで日本に持ち帰り, 種々の分析(総コレステロール, HDLーコレステロール, リン脂質の脂肪酸, 尿素窒素, Na, K, 総蛋白質, アルブミン, グリコヘモグロビン, アミノ酸, コチニン, Ca, Ma等々)に供した.
被験者は漢人が145名(男79名, 女66名)であり, 少数民族者が55名(男32名, 女23名)であった. 最高血圧・最低血圧値および高血圧の発症頻度を表に示した.
男性の場合, 漢人と少数民族人との間に最高・最低血圧共に差異はなかったが, 女性の場合, 少数民族人の方が最高血圧で高い傾向を示した. また, 男女ともに境界域高血圧者の発症頻度が少数民族人の方が高かった. NaCl, KClの尿中排泄量は12.2±0.7g/1日, 3.3±0.1g/1日であり, 食塩の摂取量は日本人の全国平均に近い量であった. 以上の結果は当初推定した様に生活環境は同一であるにもかかわらず, 食習慣の違いによって高血圧の発症頻度が異なることを示唆している. 今回は, 漢人を主に調査したため少数民族人として一まとめで論じているが, この中にはウィグル人, カザフ人, 蒙古人, ロシア人が含まれている. よって今後は各民族人ごとにさらに詳細な調査を行なう予定である.

報告書

(1件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 家森 幸男;T.Strasser: "循環器疾患の予防に関する新しい展望" Elsevier (Amsterdam), (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yamori,Y.,Strasser,T. eds.: Elsevier(Amsterdam). New Horizon in Preventing Cardiovascular Diseases, (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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