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インドネシアにおけるマングローブ林生態系の種生物学に関する研究(調査研究総括)

研究課題

研究課題/領域番号 62043054
研究種目

海外学術研究

配分区分補助金
応募区分調査総括
研究機関愛媛大学

研究代表者

荻野 和彦  愛媛大学, 農学部, 教授 (90026394)

研究分担者 Suhardjono  ボゴール植物標本館, 研究員
ARIE Budiman  ボゴール動物標本館, 研究員
小見山 章  岐阜大学, 農学部山地開発研究施設, 助手 (60135184)
和田 恵次  京都大学, 理学部瀬戸臨海実験所, 助手 (80127159)
千原 光雄  筑波大学, 生物科学系, 教授 (60000147)
BUDIMAN Arie  Zoological Institute.Researcher
PRAWIROATMODJO Suhardjon  Herbarium Bogoriense.Researcher
研究期間 (年度) 1985 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード東インドネシア / マングローブ / 大型藻類 / カニ類 / 貝類 / 森林の現存量 / 成帯構造
研究概要

熱帯・亜熱帯地方の内湾や河口付近および沿岸域の潮感帯に発達するマングローブ林生態林の, 特殊な立地に対する適応, 独得の構造, 特異な生態生理を明らかにするため, 東インドネシアにおいて調査をおこなった.
現地調査は, 昭和60年8月1日から9月15日に予備調査を, 昭和61年7月30日から10月12日に本調査を, および昭和62年3月4日から26日までの期間に追加調査を実施した. 調査はインドネシア国立生物研究所と共同して, 同国立海洋学研究所の協力を得ておこなった.
予備調査においては, マルク州カオ湾(ハルマヘラ島東岸)沿岸のソソボック川河口の, 原生状態を保ったマングローブ林に8.4haをマークし, 30×30mの永久調査区を5カ所に設置することができた.
本調査は1カ年後に, カオ湾において, マングローブ林の構造と機能, 動・植物特に藻類, カニ類, 貝類の分類と生態および行動に関する調査をおこなった. ソムラキ他いくつかの地点で, 広域的な比較調査のための標本・試料の採集をおこなった.
追加調査はジャワ, バリなどをくわえた調査地で, マングローブ林の構造と機能の調査をおこなった.
採集した動・植物標本は乾燥, 液浸あわせて約3500点, 種子標本約100点, 分析用植物試料約450点, 土壌試料約280点で, 現地の国立生物学研究所, 国立海洋学研究所に残置したほか, 愛媛, 筑波, 岐阜, 京都各大学で保管されている.
調査総括は(1)藻類の分類と生態, (2)底生動物, 特にカニ類, 腹足類の生態と行動, (3)マングローブ林生態系の構造と機能についておこなった. 研究成果の概要は以下のとおりである.
(1)藻類の分類と生態
主として, Bostrychia, Calogloss, Catenella属のものから成り, 世界の他の地域のマングローブ林のそれとよく似ていること, マングローブの支柱根に着生して, 潮感帯の上, 中, 下部にそれぞれ固有の群落をつくりだしているが, 出現様式は他の地域と共通することがわかった. 大型藻類は38種が同定されたが, 6種が緑藻類, 7種が褐藻類, 25種が紅藻類に属するものであった.
イドプールで認められる種類相と酷似していること, 個々の種は外洋性のものと形態的に明瞭に区別できることがあきらかにされたが, マングローブ林域にはには淡水起源のものが存在することが注目すべき点である.
(2)底生動物, 特にカニ類, 腹足類の生態と行動
った. 注目すべきは日本の沿岸域のものと共通種が半数を占めたことであろう. 腹足類は40種のうち24種がマングローブ固有種で, 分布生態を観察したところ, 庇蔭度, 潮汐, タイドプール, 枯死木の有無などが, 強く影響することを示した.
ratia alba林内に生息するOcypodidsが気根上にはいのぼって, 採食するのが発見され, マングローブ域でも強い動物ー植物関係が存在することが確認された.
(3)マングローブ林生態系の構造と機能
が異なる. これが局部的な優占種をきめ, Sonneratia帯, 砂丘帯, RhizophoraーBruguiera混交帯, NypaーR.stylosa帯をつくっていることが確認できた.
告されているいくつかの例とあわせて, マングローブ林の相対生長式は, Rhizophora属のものと, それ以外の樹種については分離するが, 地域による分離は認められないことが確かめられた. 地上部現存量の推定結果は, Sonneratia,Rhizophora,Bruguiera林でそれぞれ, 170,300ー360,410ー440t/haに達することがわかった.
地下部現存量をソイル・ブロックによる根密度法によって推定したところ, 40,180ー200,110ー180t/ha・mと算出された.
この研究成果はとりまとめて, BIOLOGICAL SYSTEM OF MANGROVES,A REPORT OF EAST INDONESIAN MANGROVE EXPEDITION,1986として, 印刷, 公表した.

報告書

(1件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 荻野和彦: 第98回日本林学会大会発表論文集. 303-304 (1987)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 守屋 均: 第98回日本林学会大会発表論文集. 305-306 (1987)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 小見山章: 第98回日本林学会大会発表論文集. 307-308 (1987)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kazuhiko OGINO;Mitsuo CHIHARA eds.: "Biological System of Mangroves, A Report of East Indonesian Mangrove Exedition. 1986" Ehime University, X+181 (1988)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kazuhiko Ogino: "Coral Reef as Mangrove Substratum" Transactions of 98th Meeting of Japanese Forestry Society. 303-304 (1987)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hitoshi Moriya: "Leaf Dynamics of Several Tree Species at Kao,Halmahera Is1.east Indonesia" Transactions of 98th Meeting of Japanese Forestry Society. 305-307 (1987)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akira Komiyama: "Allometric Relationships of the Mangroves in Southeast Asia" Transactions of 98th Meeting of Japanese Forestry Society. 307-309 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kazuhiko Ogino,Mitsuo Chigara eds.: Ehime University. BIOLOGICAL SYSTEM OF MANGROVES,A REPORT OF EAST INDONESIAN MANGROVE EXPEDITION,1986, x+181 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1987 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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