研究概要 |
昭和62年度は, 前年度の文部省科学研究費補助金によっておこなった, 海外学術調査研究で得た, 西アフリカ, 特に熱帯アフリカ, ギニア湾沿岸文化領域での, 伝統的工芸文化に関する資料の整理分析をおこなった. 学術調査で撮影したスライドよりプリントを作成し, 工芸のジャンル毎に分類し, またそれぞれの技法の違いによって再分類をおこない, 西アフリカにおける工芸技法の分布を設定した上で, これまでの調査によって得ている情報を重ね合せることによる工芸技術の伝播の考察をおこなった. この研究を通してクローズアップされてきた問題に, 伝統工芸技術の衰退がある. 昭和53年度, 国立民族学研物館によって編成された海外学術調査時に調査をおこなったカメルーンでは, 土器整作技法及びその他の伝統工芸が, この7年間で著しく衰退しているのを認識した. 従って今後は伝統工芸の諸種にわたる調査が必要である. 今後の研究計画は下記の如くである. 1.外来文化と共に発展するプラスチック工芸によって駆遂される伝統的小工芸の技術の記録. 2.ビテオ等による映像記録の作成. 3.技術の修得.
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